2023.07.28

Shopify、「Shopify Editions Summer '23」発表 AI関連など100種類以上の製品・機能アップデート

Shopify(ショッピファイ)の日本法人Shopify Japanは7月27日、Shopifyが「Shopify Editions Summer ’23」を発表し、Shopifyで過去最大となるAI製品や100種類以上の機能アップデートをリリースしたと発表した。起業家向けに開発されたAI、他ブランドの商品をキュレートして販売する新たな手法、オペレーションを合理化する統合的なマーケットプレイスでの取引、世界最高クラスのチェックアウト機能の更なる最適化などが含まれる。

Shopifyでは、事業者や開発者、パートナーがコマースにおける最先端のデジタル体験を実現していく上で欠かせない、Shopifyの最新製品やイノベーション、機能アップデートを年2回発表する「Shopify Editions」プログラムを2022年より開始した。

このほど「Shopify Editions Summer ’23」を発表し、事業者の生産性や創造性が向上するビジネス構築を支援する100種類以上のアップデートを提供した。

「Shopify Editions Summer ’23」の中でハイライトすべき製品として1つ目に、初のAI対応コマースアシスタント「Sidekick」をピックアップした。

AIの進歩は、私たちの周辺で起きている変化をさらに加速させており、すでに買い物の方法やビジネスのあり方を変革させつつある。

Shopifyでは、起業家から企業までビジネスを手がける人がAIを手にすることで、大きなメリットを享受できると考えいるとし、Shopifyの創業者兼CEOであるTobi Lütke(トビアス・リュトケ)氏は、「インターネット上を隅々まで見渡しても、人々が自らのビジネスを構築し成長させること以上に、AIの恩恵を享受できる分野を思い浮かべることはできません。私は90年代半ばからテクノロジー業界に携わってきましたが、AIのようなものは見たことがありません。起業家精神に満ちた人々にとって、AIは信じられないほどの恩恵をもたらすでしょう」とコメントした。

Shopifyは2022年4月に、プラットフォーム上で利用できるAI対応機能群である「Shopify Magic」を発表。最新のAIテクノロジーと自社プラットフォームのデータを組み合わせることで、Shopifyが支援する事業者のビジネスがより速く、よりスマートに、よりクリエイティブに稼働するよう支援するとし、ストアに載せる商品説明文の作成を助けてくれる「product descriptions」の提供を先行して開始し、現在日本語での利用も可能となっている。

このほど新たに、「Shopify Magic」の中でも中核となる「Sidekick」発表した。「Sidekick」はShopifyの事業者が事業を立ち上げ、それを拡大していくための初のAI対応コマースアシスタントだ。ビジネスオーナーは、その専門知識の有無に関係なく、「Sidekick」と会話をすることで、クリエイティブなプロセスの開始、店舗の品質の向上、生産性の向上、ワークフローの合理化により、スマートなビジネス上の意思決定を行うことが可能になる。

たとえば、「ホリデーセールの割引を設定してほしい」「夏らしい店舗にデザイン変更したいので手伝ってほしい」「自社の商品の中で1番の売れ筋を教えてほしい」「Eメールキャンペーン準備のため、その方法を順序よく教えてほしい」といった事業者からの質問に対し、提案を行うことができる。

「Sidekick」は、まもなく限定公開を開始する予定となっており、限定公開期間中は、英語、ドイツ語、スペイン語、フランス語、イタリア語、日本語、ポルトガル語(ブラジル)、中国語(簡体字)に設定されているさまざまな市場において、限定された事業者のみが利用できる。

「Shopify Editions Summer ’23」では、「Shopify Magic」に新たに追加された9つの機能を発表しているとし、もっとも一般的な顧客からの質問に対して、個別の回答を作成し、事業者はそれらの回答を「Shopify Inbox」経由で確認、編集、公開することができる機能、祝日やビジネスの節目、キャンペーンに対応したブログ記事を作成できる機能、コマース向けに構築された電子メールを生成できる機能などを挙げた。

ShopifyのバックエンドにAIを統合することで、ビジネスの最先端を堅持し、競争の激しい今日の市場でビジネスの成功を支援する。なお、「Shopify Magic」の多くの機能は現時点で英語対応となっており、一部の機能が日本語を含むその他の言語に対応している。

「Shopify Editions Summer ’23」のハイライト2つ目としては、Shopifyから複数のマーケットプレイスでの販売を実現する機能について取り上げた。

事業者がビジネスを成長させるにつれて、商品を販売するプラットフォームやチャネルの数は増え、オンライン販売者の42%が4箇所以上のマーケットプレイスを利用していると言われている。販売チャネルが増えることで、事業者はマーケットプレイスごとに注文や配送手続き、在庫管理、商品リストに対応するためのビジネスプロセスやアプリが必要となり、複雑な管理に悩まされているとし、「Amazon」や「Walmart」「eBay」といった大型マーケットプレイスで発生した注文を「Shopify」上で在庫管理や配送手続きなど一元的に対応できる新アプリ「Shopify Marketplace Connect」の提供を開始した。

「Marketplace Connect」は、事業者が数百万人の新規顧客を獲得し、ビジネスオペレーションを合理化することを目的としたオールインワン・ソリューションとして提供するもので、7月27日より世界各国で利用できる。

「Shopify Editions Summer ’23」のハイライト3つ目には、事業者と自分たちのオンラインストアで販売したい他のメーカーやブランドが展開する商品をバーチャルで結びつけるためのソリューション「Shopify Collective」を挙げた。

Shopifyは2022年6月に企業間取引(B2B)向けソリューションをローンチして以来、カスタマイズが可能な機能を現在までに45種類以上リリースし、Kraft Heinz Company、などの世界的なブランドにも利用されている。

B2Bビジネスで事業を拡大する手法として、取り扱う商品ポートフォリオの拡張が挙げられるが、事業者にとって新たに商品を仕入れ、在庫を事前調達することはリスクに繋がりかねないとし、その課題を解決するソリューションとして、新たに「Shopify Collective」の提供を開始した。現時点では、米国の事業者限定で利用が可能だ。

「Shopify Collective」に加えて、Shopifyでは卸売販売を支援するB2B向けのソリューションも提供している。世界の卸売市場規模は7.9兆ドルと推定されており、成長領域として注目されている。そこでShopifyでは、B2B製品の開発投資を積極的に行っている。「Shopify Editions Summer ’23」では、卸売注文をより簡単に行うための主要機能に加え、まとめ買いを促すボリュームプライシング、見込み顧客がB2Bバイヤーに登録するためのリンクをオンラインストアなどの任意の場所に追加する機能を提供する。

「Shopify Editions Summer ’23」のハイライト4つ目として、Shopifyにとってすべての原点だというチェックアウトのさらなる進化に言及した。

「Shopify Checkout」は、トップ3のグローバルコンサルティング会社による最新データが、世界最高基準のツールであることを裏付けているとし、その調査によると、「Shopify Checkout」は他の主要なコマースプラットフォームと比較して、平均で15%高いコンバージョン率を誇るとしている。

「Shopify Checkout」は、2022年だけで50兆ドル以上の売上を処理し、5億6100万人のオンライン買い物客をサポートしており、この実績から得られたインサイトを活かし、今日までの短期間で「Shopify Checkout」の改善に励み、機能の大幅な向上を図った。

チェックアウトエディタ内で管理するためのAPIを新たに17種類追加し、既存の機能をアップデートすることで拡張性をさらに高め、パートナーや開発者がアプリ上でユニークなチェックアウト体験を作成することを実現。例えば、カスタマイズされた配送オプションを提供したい場合、「Shopify Checkout」は、荷物の受け取り場所や配送日、推奨される住所などを含められるよう変更可能になった。




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