2023.07.16

アップサイクル商品の「Upcycle by Oisix」、未活用だった「穴あき」わかめを使ったスナックを新発売

▲ここもおいしく 国産穴あきわかめの玄米スナック(甘しょうゆ)

食品のサブスクリプションサービスを提供するオイシックス・ラ・大地は7月20日、アップサイクル商品を開発・販売するフードロス解決型ブランド「Upcycle by Oisix」において、未活用だった規格外のわかめをアップサイクルした新商品、「ここもおいしく 国産穴あきわかめの玄米スナック(甘しょうゆ) 」および「ここもおいしく 国産穴あきわかめの玄米スナック(コンソメ) 」の販売を開始する。

わかめや昆布のロス削減への取り組みを強化する。さらに8月には、季節の果物を使用したアップサイクルパウンドケーキ第2弾として、コンポートを作る際の規格外原料を使った「ここもおいしく ふぞろいオレンジコンポートと紅茶のパウンドケーキ」を販売する。

オイシックス・ラ・大地の提供する「Oisix」は、有機野菜や特別栽培野菜、合成保存料・合成着色料を使わない加工食品などの生鮮食品を取り扱うEC食品宅配サービス。生産現場から食材が購入者に届くまで一気通貫で「食」に向き合う「Oisix」だからこそ生まれた「Upcycle by Oisix」は、アップサイクル商品を開発・販売するフードロス解決型ブランド。

見栄えや食感の悪さなどから捨てられていた食材を、より環境負荷が低く、新たな価値を加えた自社オリジナルのアップサイクル商品として開発し、2021年7月8日の最初の商品の販売からこれまでに、畑や加工現場で未活用だった食材約87.5トンをアップサイクルし、フードロスを削減した(2023年6月末現在)。


▲三陸わかめ

7月20日には、未活用だった規格外のわかめをアップサイクルした新商品、「ここもおいしく 国産穴あきわかめの玄米スナック(甘しょうゆ) 」(289円/税込)、および「ここもおいしく 国産穴あきわかめの玄米スナック(コンソメ) 」(289円/税込)の販売を開始する。収穫時に穴があいてしまっている穴あきわかめは、見た目が悪いことから規格外とされますが、味も栄養も本来のままだ。その海藻本来のおいしさ・香りと、17種の雑穀を使って味に深みを出し、家族で楽しめるスナックを作った。

国産の85%を占めている三陸のわかめは、北上川から流れ込むミネラル豊富な水と、親潮と黒潮が回流する漁場の荒々しい波に育てられ、肉厚でプリッとした食感、シャキッとした噛みごたえで知られているが、近年、茎わかめに近い部分に小さな穴があいたり、ボコボコと水ぶくれのように膨れてしまうわかめの比率が増えている。

そうしたわかめは見た目のイメージが悪いとして正規流通ができず、収穫時に発見されるとその部分を切り落としているため、商品として使用できる面積が少なくなっている。三陸全体で切り落とされ廃棄されている量は、全体の約5割(水揚げ時換算で年間100トン余り)にもおよぶ。

さらに本来の黒色ではなく、赤みの強い「赤昆布」の割合も増えている。これまでは選別して市場に出荷していたものの、今ではその割合が多くなっているため未利用の昆布が増えており、選別する漁師の手間は増えている反面、販売できる商品量は減っている。

こうした状況を受け、「Upcycle by Oisix」では、今回の新商品を始め、すでに販売中のスープ、だし、そうめんなど、わかめや昆布のロスをレスキューする商品開発を一層増やすことで、おいしく産地のロスを減らしながら、顧客の理解にもつながるような取り組みをさらに強化していくとしている。

今回の取り組みにあたり、宮城県石巻市・十三浜の三陸わかめ生産者 阿部勝太氏は、「今年は特に穴あきわかめの比率が増えており、それを取り除く人件費も増えて、労働環境が悪くなっているのに売る面積自体は減ってしまっています。値がつく繁忙期のうちに売り切りたいのに、夜遅くまで穴の部分を取り除く作業に時間を取られてしまう、悪循環になっているのが現状です。小さな穴でも取り除かなければいけない理由として、三陸わかめは加工品ではなく塩蔵わかめやフレッシュなわかめとして売られているため、どうしても見た目やイメージ重視になってしまっています。これまでに穴あきわかめ自体が消費者に知られていないので、今でもクレームになることを恐れて取り除かざるを得なくなっているのです。この商品をきっかけに、多くの方に理解をいただけたら嬉しいですね」とコメントした。

8月3日には、季節の果物を使用したアップサイクルパウンドケーキ第2弾として、コンポートを作る際の規格外原料を使った「ここもおいしく ふぞろいオレンジコンポートと紅茶のパウンドケーキ」(1360円/税込)を販売する。甜菜糖とレモン果汁のみで炊き上げた、香川県産オレンジコンポート(規格外)をトップにあしらった、夏にぴったりの爽やかなパウンドケーキとなっている。


▲ここもおいしく ふぞろいオレンジコンポートと紅茶のパウンドケーキ

季節ごとの新鮮なフルーツを厳選して製造されているジャムやジュースの製造過程において発生する副産物の多くは、未活用のまま廃棄されているのが現状だ。「ここもおいしく ふぞろいオレンジコンポートと紅茶のパウンドケーキ」は、「Oisix」プライベートブランドのジャムを製造している樽正(兵庫県養父市)から出るオレンジコンポートの規格外原料、さらに人気商品「淡路島産なるとオレンジのマーマレードジャム」製造時に使用する国産オレンジ果汁の過剰分を生地に使用。オレンジと相性の良いアールグレイ茶葉を練り込み、冷やしておいしい夏のパウンドケーキに仕上げた。

「Upcycle by Oisix」は今後も、季節ごとに発生し、未活用となっている加工現場のフルーツ原料を積極的にアップサイクルする取り組みを進めていくとしている。






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