2023.07.10

【「たまごリピート魂」の狙いは?】テモナ 佐川隼人社長「原点回帰で顧客の声から機能開発」

テモナ 佐川隼人社長


テモナは今年4月、リピート通販専用カートシステム「たまごリピート」のグロースサービスとして「たまごリピート魂(以下、魂)」を提供すると発表した。2018年4月に「サブスクストア(旧:たまごリピートNext)」を提供してから、「たまごリピート」は保守的な開発に留まっていたが、それでも使い続ける導入企業の思いに応えるため、「たまごリピート」からデータ移行不要でそのまま使える「魂」の提供を決めた。「たまごリピート」の経験をもとに、最新システムに切り替え、導入企業の声を聞いて機能開発を積極的に行うという。「魂」の開発の経緯やサービスの展望について、プロジェクトの陣頭指揮を執る佐川隼人社長に聞いた。



――「魂」の提供に至る経緯は?

「たまごリピート」から「魂」という名前もロゴもウェブサイトもシステムも全部フルリニューアルすることになった。4月にお披露目し、5月末から機能を順次提供している。

「たまごリピート」の既存顧客に向けて、変わっていく決意を「魂」という名前に込めた。

これまでのわれわれのスタンスとしては、「たまごリピート」の導入企業さまに、「どんどん『サブスクストア』に移行してください」と促していた。「たまごリピート」よりも「サブスクストア」の開発を積極的に行っていたからだ。

しかし、想定以上に「たまごリピート」を使い続けたいと言っていただく導入企業さまが多かった。逆に移行を検討する導入企業さまが、競合のカートに乗り換えるきっかけを与えてしまった側面もあった。

これは当時、われわれが思い描いていた結果とは全然違う形だった。しかし、そうはいっても当然、お客さまのご要望が一番大事なので、それに応えるべく、「たまごリピート」をフルリニューアルして、開発を強化しているプロダクトとして「魂」を提供することにした。

――「魂」の特徴は?

「たまごリピート」がもともと対象としていた単品通販事業者に特化して、どんどんマニアックな、導入企業さまが欲しい機能を詰め込んでいく。

「たまごリピート」から「魂」へは乗り換えの手間なく、同じデータベースで管理画面を切り替えることができる。行き来することも可能で、自由に試して使うことができる。


東京と福岡でユーザー会を開催


――どのように「魂」を開発していくのか?

第1弾としてシステムをフルリニューアルし、カゴ落ちしにくい最新式の仕組みに変えた。第1弾の主要機能は当社で設計している。今年9月までに第1弾は完了する予定だ。

今年9月に東京と福岡でユーザー会を立ち上げる。10月以降はユーザー会で導入企業さまの意見を聞き、どの順番でどういう機能を作っていくかを決める。

「たまごリピート」の導入企業には、10年以上のキャリアを持つ方がたくさんいる。そういった方々に、マニアックな機能を提案していただき、それを実装していく。

そういった意味では、「たまごリピート」は今後、使い手を選ぶことになる。単品通販の経験の浅いスタートアップでは機能を十分に理解できないかもしれない。上級者用のマニアックなプロダクトの路線に進む。商品ジャンルも健康食品や化粧品の事業者がメインになるだろう。

――「魂」のターゲットはあくまで既存の導入企業なのか?

もちろん新規事業者さまにも使っていただきたいが、まずは既存の方に満足してもらわないと次はない。しっかりと既存の事業者さまに納得していただけたら、昔、他社のカートに乗り換えた事業者さまも戻ってきてくれるかもしれない。経験値はあるけど新規に事業を立ち上げるようなスタートアップにもぜひ使っていただきたい。

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