2023.07.05

越境ECにおける再販支援のユアトレード、1億円を調達 展開国の拡大を目指す

越境ECを含む海外販売で生じる返品や滞留在庫の再販サービスなどを提供し、企業のグローバル販売を支援するユアトレードは7月5日、ANRI、およびジェネシア・ベンチャーズから、総額1億円の資金調達を実施した。調達した資金は、「返品再販サービス」の多国展開、日本企業の海外販売を後押しするサービスの強化に活用する。

ユアトレードは、海外販売で返品が生じた際に、返品商品の回収から検品・再販売までを一括して代行するサービスを提供している。事業者は、海外消費者に販売した商品の返品データをユアトレードに共有するだけで、商品の回収、検品を依頼できる。回収した商品は、ユアトレードが現地販売チャネルにて再販し、再販売上から手数料を引いた金額を事業者に支払う仕組みとなっている。


▲返品再販サービスの仕組み

現地市場で再販することで、返品の輸送コストや廃棄コストを減らすことが可能できる。事業者は返品された商品を再販チャネルで販売することで売り上げが得られるうえ、煩雑な返品やり取りを効率化して顧客体験を向上することで顧客のロイヤリティを高めることも可能となる。

世界の越境EC市場は年率約30%の成長と言われており、人口減少、高齢化、労働人口減少といった国内の課題を抱える日本においても、海外向けの販売に活路を見出す企業が多くなると考えられる。

一方で、全米小売業協会によると、2021年に米小売業が販売した商品の内、約7600億ドルが消費者から返品された。返品率は約20%となっており、昨今消費者は販売業者に対し、柔軟な返品対応を求めている。米国では返品された商品のうち年間約260万トンが廃棄されており、大きな環境問題となっている。

昨今急成長する越境ECにおいては、海外で返品を受け付けた場合、日本に戻す輸送費が負担になることから、現地で廃棄するケースが多く、コストや環境面で課題となっている。

こうした状況を受けユアトレードは2022年8月、日本企業の海外販売をサポートすることを目指し、越境EC含む海外販売で返品となった商品を現地で回収・保管・再販するサービスをスタート。台湾からの提供を開始した。

回収した商品は、現地有力ECサイトの他、自社で運営を行うアウトレットオンラインストア「nomino」で販売を行い、廃棄される運命だった商品がより良い形で次の購買者と出会う機会を提供している。

このほど、ユアトレードは、更なる事業拡大を図るべく、ANRI、ジェネシア・ベンチャーズから総額1億円の資金調達を実施した。

調達した資金をもとに「返品再販サービス」の多国展開を図るとともに、日本企業の海外向けEC販売を促進するため、言語、決済、輸送のハードルをシステムで効率化し、日本企業の海外販売を後押しするサービスの強化に取り組む考えを示した。

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