2023.06.30

フェンリルとアリババクラウド、EC-CUBEと「オートスケール機能」を組み合わせた新しいECプラットフォーム開発

フェンリルとアリババクラウドは6月28日、革新的なECプラットフォームを共同で開発したと発表した。アリババクラウドが提供する安全かつ信頼性の高いクラウドサービスと、日本におけるECオープンソースシステムのナンバーワンである「EC-CUBE」を組み合わせており、販売プロモーション等で急増するトラフィックをスケーラビリティを確保しながら処理できる。従来のECプラットフォームが抱えていた課題を解決する。

フェンリルとアリババクラウドは、信頼性の高いアリババクラウドの「オートスケール機能」と「EC-CUBE」を組み合わせた新しいECプラットフォームを共同で開発した。日本国内のEC販売オペレーションに必要なカスタマイズに対応し、トラフィックの急増に対応できる、柔軟なデザインのECプラットフォームとなる。

「EC-CUBE」は、日本国内で幅広い実績をもつ、柔軟なサイトデザインが特長のECオープンソース。Webプログラミング言語であるPHPを使用して開発されており、他のプログラミング言語と比較して処理スピードが遅いため、高負荷トラフィックが発生するECサイトを運営するには高負荷対策を個別で実施する必要がある。

アリババクラウドのクラウドサービスは安全かつ信頼性が高く、優れたスケーラビリティを備えている。クラウドサーバーの台数を負荷に応じて自動的に増減させる「オートスケール機能」により、トラフィックが急増した場合でも最大2000台まで自動的に拡張することができる。

従来のECプラットフォームを運営する際には、販売促進のキャンペーンの開始時など急激なトラフィック増加により、サーバーが処理しきれず受注機会の損失を招く。トラフィックのピークを想定してシステムを構築するため高いランニングコストがかかるという課題があった。また、第3者によるサービス提供が可能なSaaS型のECサイトにおいても、大規模なトラフィックを処理できず、受注機会を失うケースが見られた。

フェンリルとアリババクラウドが提供を開始したサービスでは、従来のECプラットフォームが抱えていたこうした課題の解決が可能だ。

本プラットフォームを利用したサポート事例の第1弾として、、Yostar社の「Yostar OFFCIAL SHOP」のリニューアルを紹介した。旧ECサイトでは、新商品の発売開始時に急増するトラフィックをECサーバーが処理しきれず、受注機会の損失やECサイトにアクセスできなくなるといった問題が発生していたという。また、旧ECサイトは外部のSaaSを利用していたため、システムキャパシティを個別に強化することができなかった。



これらの課題を解決するため、フェンリルとアリババクラウドは共同で、アリババクラウドと「EC-CUBE」を組み合わせた新しいECサイトを構築。安定した稼働を実現し、受注機会の損失という課題を解消した。

Yostar社は、Yostarグループが日本で展開しているゲームやアニメ関連のキャラクターグッズをオンラインで販売するECサイトの運営に、日本のSaaSを利用してきた。一方で、「キャラクターグッズという販売特性から、新製品の発売や販売キャンペーンの開始時にサイトへのアクセスが急増し、従来のシステムではトラフィックを処理しきれず、個別のシステム強化も難しいため、受注機会の損失が発生していた」と話す。

今後もゲームやアニメ関連のキャラクターグッズのオンライン販売は拡大が見込まれるため、コストを抑えつつ課題を解決できるソリューションを模索していたとし、アリババクラウドのスケーラブルかつ信頼性の高いクラウドソリューションと、フェンリルによる「EC-CUBE」導入のサポート実績に注目し、リニューアルの実施を決定したとしている。

「開発プロジェクト期間中は、アリババクラウドのエンジニアの的確な助言を得ながら、アリババクラウドと『EC-CUBE』の統合に関する技術的な課題を迅速に解決することができました。また、フェンリルは日本国内のEC販売オペレーションに必要な個別のカスタマイズにも柔軟に対応してくれました。これらのサポートのおかげで、リニューアルが成功し、新製品を販売する際の受注機会の損失を大幅に低減することができました」とコメントした。




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