サイト内検索サービス「GENIEE SEARCH(ジーニーサーチ)」を提供するビジネスサーチテクノロジ(BST)は、EC企業など900社以上の導入実績を誇る。パートナー企業としてチャットボットや問い合わせなどの「FAQ」作成サービスを提供するPKSHA Communication(パークシャ・コミュニケーション)と提携し、サービスの提供を行っている。BSTの石渡奈月氏と、パークシャ・コミュニケーションの村越寿夫氏に話を聞いた。
──BSTが提供するサイト内検索サービスについて。
石渡:サイト内検索サービス「ジーニーサーチ」を提供しており、中小規模のECでも手軽に導入できる高度な検索機能で、利用者の使いやすさやEC売上の向上を追求している。2020年11月にジーニーの傘下となり、ブランド名を一新、開発のスピードが向上した。これまでは中小のEC企業が中心だったが、ハイエンドのECにも導入できる体制が整いつつある。新たな機能を追加したサービス展開も今後予定している。
──パークシャが提供するサービスは?
村越:当社が提供する「PKSHA FAQ」とは、FAQ(よくある質問)をウェブサイトに掲示し、自己解決の促進や工数を大幅に削減できる仕組みだ。ECのほか、メガバンクや地方自治体を含めて約800社、計1500サイトの導入実績がある。
特に、ECサイトでは、返品対応や到着日に関するFAQにおいて活用いただいている。特定期購入の解約について不安に感じるユーザーのためにFAQを有効活用している。コロナ禍では、コールセンターなどサポートスタッフの出勤が困難になるなど、直接対面する機会が減ったことで事業環境が大きく変化した。
電話対応のみの場合、解決までに時間を要し、結果的に顧客の離脱につながる可能性も出てくる。導入したEC事業者では、30%の問い合わせの削減につなげた事例もある。コロナ禍で、ファッションや白物家電を販売するEC、通信教育の企業からの引き合いが増えた。
サントリーウエルネスに導入
──パートナーとしてどのような導入実績があるのか?
村越:導入先のEC企業がサイトを刷新するタイミングで、FAQも検索できるようにしたいという要望が多い。サイト内検索を導入することで、ECサイトの情報と併せてFAQの情報も検索・表示することができ、利便性が高まる。FAQページは、①ユーザーにFAQを知ってもらうことでサイトに集客する ②商品をスムーズに購入してもらう ③リピート購入(再来店)してもらう――役割があると考えている。
両社が手掛けているサントリーウエルネスの事例では、商品名で検索すると、「商品情報」と「よくあるご質問」を同時に検索して表示する。それぞれの検索結果はタブで切り替えて表示できる。FAQでは「お徳用はあるか」「時間指定はできるか」「アレルギー表示はあるか」といったよくある質問を掲載し、ユーザーの疑問や不安を解消することでスムーズな購入につなげる。ユーザーの利便性が高まることでリピート購入にも貢献できる。
石渡:購入までの行動はユーザーによってさまざまだ。人が対応できないECでは知りたい情報を検索によって適切に提供することで、スピーディーな意思決定を助ける。
サイト内検索を導入することで、検索ログを通じて、今何がトレンドなのか、ユーザーのニーズは何かを把握することも可能だ。
──ECにおけるサイト内検索の重要性については?
石渡:EC市場の拡大に伴い、年々、重要度は増している。特に、さまざまなコストが上昇するなかで、自社サイトを強化する動きが活発になっている。
ユーザーに有益な顧客体験を提供するため、サイト内検索やFAQを導入し、成果につなげているEC事業者が増えている。今後も、EC市場の成長に貢献できるサービスを提供していきたい。
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