製菓材料のEC事業を手掛けるcotta（コッタ）は5月10日、不二製油と共同で新たなECメディア「cotta tomorrow（コッタトゥモロー）」を開設した。「cotta tomorrow」では、グルテンフリー（小麦粉不使用）、オーガニック（有機）、プラントベース（動物性食材不使用）、タンパク質、低糖質など、健康に配慮した商品を開発したい飲食店や個人を支援するブランドして運営する。3年後の2026年までに「cotta tomorrow」単体で13億円の売り上げ達成を狙う。
新たなECメディアを開設した経緯について、「コロナ禍で消費者の求めるものが変化した。コロナ前はいわゆるSNSなどで『映える』商品や、その商品を作れる素材が人気だった。だが、コロナ禍で消費者が自身の健康を見直す動きが起き、より体に良い商品が好まれるようになった。そこで、2022年に資本業務提携した不二製油と当社で、健康に良い商品を取り扱うECサイトを開設することにした」（黒須綾希子社長）と説明する。
ECサイト開設時では、不二製油が開発した大豆から作ったバターやチーズ、cottaで販売している菓子用食材など、約300種類を取りそろえた。商品を出品するだけでなく、レシピや読みものなど、豊富なコンテンツを用意して、ECサイトに訪れたユーザーの疑問解消に努めていく。
▲プラントベースフードの「クルスティアン ショコラ ソイ」を数量限定で販売「cotta tomorrow」では、製菓材料のほか、グルテンフリー、プラントベースフードで作ったスイーツも販売する。数々の世界的コンクールで受賞歴のある和泉光一シェフとのコラボレーション商品「クルスティアン ショコラ ソイ」を数量限定で販売する。「まだまだ日本ではグルテンフリーやプラントベースフードの言葉や商品も浸透しきれていない。実際に『プラントベースフードの商品ってこんなに美味しんだ』と知ってもらうことで、少しずつ消費者のイメージも変わってくるはず。ぜひ和泉シェフが作ったスイーツに驚いてもらいたい」（同）と話す。
▲新サービスお披露目会で登壇したcottaの黒須綾希子社長（左）、和泉光一シェフ（中）、不二製油グループ本社執行役員PBF事業部門長 鈴木清仁氏(右）
認知拡大方法として、①既存の「cotta」のトップページに新サイト開設の情報を掲載②SEO対策③SNS活用ーーなどに注力する。
「当社としてコロナが落ち着いてきたときに、顧客にデータを取ったが、そのとき75％以上の人が健康に配慮しているということが分かった。既存の『cotta』では、現在月間UU数が約430万UUを超えており、これを生かさない手はない。まずは『cotta』で、健康に良いサイトを開設した情報を掲載して、『cotta tomorrow』に送客していく」（同）と明らかにする。
売り上げはサイト開設後から3年後に13億円を目指す計画だ。
「まだまだ日本でプラントベースフードなどは浸透しておらず、地道に事業を展開していくと、この計算になる。もし大手企業がプラントベースフードやグルテンフリー業界に参入してきて、世間的にも大きなニュースになると、もっと早く13億円を達成できるとみている。もしそのようなことが起きたときに、『cotta tomorrow』で豊富な商品と情報を掲載しておくことで、多くの新規顧客を獲得できるはずだ」（同）と推察する。
