2023.04.09

ミュージアムショップECの美術出版エデュケーショナル、名画の物語で訴求 インスタフォロワー2万人獲得

美術・図工教材の販売やミュージアムショップの運営を行う美術出版エデュケーショナルは、ミュージアムショップのECサイトで、作家や作品の背景を生かして商品を訴求している。デザインのモチーフとなった美術作品の物語を重視するほか、写真の見せ方にもこだわり、美術ファンの獲得を進めている。

東京都美術館のミュージアムショップのECサイトは、同社のアート事業部が運営を請け負っている。もともと幅広く美術展の図録出版を行っており、「広くアートを広めていきたい」との思いで事業を始めた。学校向けの教材販売を主力としてきたが、今後はECに注力していく。

ECサイトでは、美術作品をあしらった商品を販売している。商品デザインのモチーフとなった美術作品の背景を紹介し、アートに関心を持つきっかけを作る狙いがある。「作品にまつわるエピソードを加えて、読み物として楽しめるようにしている」(アート事業部EC担当者)と言う。


▲名画「最後の晩餐」がモチーフの「最後のパンダさん」

写真を活用した商品の訴求にもこだわり、「クオリティーを上げて、おしゃれに見えるように工夫して撮影している」(同)。商品ページのほか、インスタグラムでも発信している。

インスタグラムでは、見せ方にこだわった写真と、作品の背景や知識を発信してきたことが奏功し、2万人のフォロワー獲得に成功した。「日々、インスタを見て興味を持ち、購入したユーザーがいるなど、反響があった」(同)としている。
 
東京都美術館での展示会に合わせ、関連した商品を取りそろえているのも特徴だ。例えば、2023年1月26日~4月9日まで開催中の「エゴン・シーレ展」では、同時代のウィーンの画家クリムトの作品をあしらった商品を取りそろえている。

こうした商品訴求は、全国の美術ファンからの利用増加につながった。「美術館に足を運べない人が、展示会に関連したグッズを求めてECサイトを訪れている。半数近くが地方からのユーザーだ」(同)と話す。ECサイトが検索上位に表示されるようにもなっており、さらなる利用者の増加を見込む。

今後は、ギフト需要を捉える施策を展開したい考え。さらにインバウンドの増加が期待される中で、上野を訪問する外国人観光客への訴求を進めていく。





RECOMMEND合わせて読みたい

RELATED関連する記事

RANKING人気記事