2023.04.05

ポニーキャニオン、ファンの力で復刻商品を販売 シティポップブーム再燃で注目度上昇

音楽事業本部アーカイブ推進部 齋藤純司氏

大手映像・音楽ソフトメーカーのポニーキャニオンが運営する復刻作品などのECサイト「パッケージ・オーダー・プロジェクト(POP)」が好評だ。「POP」では、ファンの要望に応じて廃盤となったり、CD化されていない音楽や映像作品を復刻して販売している。同サイトからアナログレコード化された松原みきの「真夜中のドア~stay with me」は3カ月待ちのメガヒットとなった。

同サイトはアーカイブと呼んでいる過去の作品を活性化するのが目的だ。ユーザーから規定以上のオーダーが集まったら商品化するという仕組みのため、商品化を望むファンが購入者獲得を手伝ってくれるという。

2021年4月のサービス開始時は、昭和歌謡など昔の楽曲が再注目されていたこともあり、ユーザーからの反響も多かった。

「(CDやレコードなど)パッケージ商品の復刻は、配信よりも話題性などの面でインパクトが強い。当時聞いていた世代以外にもそのアーティストや作品を知ってもらえるきっかけになった」(音楽事業本部アーカイブ推進部・齋藤純司氏)と語る。

「真夜中のドア~stay with me」は同サイトでレコードがヒットしただけではなく、海外向けに販売したり、市販商品化したりしたという。同サイトをきっかけにさらなる販売展開にもつながっている。


▲シティポップの再ブームもあり、国内外でヒット

アーカイブの中から商品化を目指すラインアップの作成については、配信を担当する部門と連携し、オーダーが集まるようなコアなファンがいる作品を選定した。既にソニーが同様の企画を実施しており、音楽業界を盛り上げるためにプロモーション面で協力している。アーティスト本人が告知に協力してくれることもあるため、ファンからの反響も大きかったという。

ECサイトとしてもこだわりがある。サービスの流れを簡単に説明するページや、商品化までの達成状況を一目で把握できる進捗バーを掲載している。

作品の詳細ページには、テキスト以外に動画も配信している。関連サイトを紹介したり、音源を視聴できるようにしている。

「現在も復刻・商品化のリクエストが届いている。特に最近は国内外でレコードが再注目されていることもあり、成長が見込まれる。これからもアーカイブから仕掛けたい」(同)と意気込みを語った。





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