2023.02.03

【有識者に聞く!2023年の市場展望<越境EC>】キレイコム 上田直之社長「中国、ベトナムでの販売支援を強化」


越境ECのコンサルティング業務などを手掛けるキレイコムは2023年、安定的な成長を誇る中国に加え、マーケットとして大きな可能性を占めるベトナムへの販売支援を強化していく方針だ。キレイコムの上田直之社長に現状の中国とベトナムの状況や、各国で成功する事業戦略などを聞いた。


中国越境ECの参入障壁は、一般貿易に比べると低く、参入しやすい。だが、まずは中国市場に必要とされる商品が何なのかを見分けることが重要だ。成分、価格、パッケージデザイン、ネーミングまで、当たり前だが、中国の消費者が欲する商品を提供しなければ、意味がない。

当社の成功事例を見ても、中国向けに開発した商品は、非常に好評だ。成分についても世界特許を持つ日本企業の製品は人気が高く、特にカネカ社製の「還元型コエンザイムQ10」は、しっかり他社製品と差別化ができていることから、非常に人気が高まっている。

販売トレンドとしては、大手プラットフォーム(公域流量)で大きな予算を投じて、プロモーションするというよりは、私域流量という、よりプライベートな領域でコミュニティーを作り、リピーターになってもらう施策が成功している。

中国での人気SNSアプリ「WeChat(ウィーチャット)」を活用することで、コミュニティーの構築、ファンの育成、リピート施策に加え、BtoBtoCでのドロップシッピング(在庫を持たずに商品を販売する販売手法)など、幅広い展開が可能となる。

ベトナム市場はまだまだ発展余地がある。ベトナム人の平均年齢は31歳で25〜29歳の割合が最も多い。ベトナムでは、越境ECのインフラや規制が整っていないものの、一般貿易については、非常に参入しやすい市場となっている。

薬事申請(DAV)については、化粧品は約1カ月間で取得できることから需要が高まっている。ベトナムにおいても、ベトナム人が求める商品を開発する必要性を実感している。

価格、成分、ネーミング、パッケージデザインなど、ベトナム人が求める商品を開発できたときは、販売前からベトナムの小売店約70店舗での取引が決定した。こちらの商品は1200〜2200円の価格帯で、ベトナム人のアンケートなどをもとに開発した。

EC展開はベトナムでの薬事申請を行った上での展開となるため、越境ECではなくベトナム現地でのEC展開となる。

ベトナムは東南アジアのECモール「LAZADA(ラザダ)」をはじめ、昨年からEC機能が実装された「TikTok(ティックトック)」など、市場として大きく盛り上がっている。当社は「ベトナムLAZADA」と「ベトナムTikTok」で自社EC店舗を運営しているため、テストマーケティングとして出品することも可能だ。

インフルエンサーマーケティングやライブコマースも成長しているため、今後は低予算での参入が可能で、戦略の仕方次第では大きな事業の柱になれると考えている。





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