2023.01.21

【EC事業者に聞く!2023年の戦略】イングリウッド 上河原圭二執行役員「大手メーカーへの営業を強化」


小売りのDX化を支援するイングリウッドは、アパレルやコスメなどの自社ECサイトやモール出店などで培ってきたノウハウを生かし、ECの支援事業を行っている。新規にECを始めたい企業のほか、「売り上げが伸びない」「ヒット商品が生まれない」などの悩みに対応。企業間の口コミで認知度を高めてきた。同社が運営する「三ツ星ファーム」の実績から「食」のECの相談も増え、2022年は大手メーカーの問い合わせが目立ったという。大手への営業を強化するため2022年12月、専門部署「アライアンス戦略室」を立ち上げている。2023年の事業戦略について、上河原圭二執行役員に聞いた。


2022年は物価高騰の影響から、業界全体が何かしらの影響を受けた。当社はコロナの影響でキッチン家電やアウトドア商品の需要が増えたことから、商品の構成比率を変えたり、ライセンス事業にシフトしたりして増収増益につなげた。

自分たちで商品を販売することで、消費者の動向を察知しやすく、物流やマーケティングにおいても失敗と成功を重ねることで経験値を高めることができた。幅広い分野の悩みを自社で乗り越えてきた実体験を発揮することで信頼性が生まれ、2022年はさまざまな大手メーカーからの引き合いが増えた。

新規ECの立ち上げや大手通販モールへの出店、既存ECの改善など、需要はまだまだあり、強化していくために専門部署「アライアンス戦略室」を立ち上げた。

2022年9月に、定期購入やD2Cメーカーに特化したデータ経営支援ツール「KOURY(コウリー)」のサービスも開始した。定期購入に特化した経営DXツールにより、商品開発に活用できる。

数字をアナログ管理するのではなく、一元管理するため、収支予測やシミュレーション機能などを搭載した。さまざまな売り上げや獲得件数などから、自動で事業計画などを作成していく。

投資の費用対効果を可視化できるニーズから、順調に導入は進んでいる。現在、一部の企業に使用してもらい、テストマーケティング中だ。未来の予測精度を上げることが重要になるため、質を高めている。サービスやバグの改善を行い、拡販するための準備段階にある。

EC事業については、2022年11月にモデルの梨花のセルフケアブランド「AKNIR(アクニー)」のECサイトを開設した。当社は商品企画から携わっている。梨花のインスタのフォロワーは約160万人を超えている。ファンから火が付き、広告を出す前から話題になった。ファン以外の幅広い人に訴求するために、2023年は本格的にプロモーションを強化していく。

PBの開発やソリューション強化の面から、人材採用も強化している。ユーザー獲得でもCRMでも得意分野はどこでも良い。トレンドに敏感で、物を売りたいという強い気持ちがある人を求める。年間100人ずつ拡大していきたい。

現在、社員は約200人。北米や中国への越境ECや、実店舗への卸販売など、提携を含めて強化していくため、2025年には社員500人を目標にしている。消費者も企業もファンを作り続けていきたい。




有識者24人のEC市場展望は▶▶https://netkeizai.com/articles/detail/7842






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