菌ケアのサプリメントや化粧品を展開するKINSは8月、東京・二子玉川に動物病院を開設した。「細菌叢（マイクロバイオーム）」の考えをもとに、犬や猫のペットの腸内環境をケアする病院だ。シンガポールでは同月、人間を診療するクリニックも開設した。化粧品や健康食品の定期ECにとどまらず、医療分野への参入を進めている。
KINSが開設した動物病院「KINS WITH 動物病院」は、「常在菌から診る」がコンセプトになっている。
新設した動物病院では、ペットの健康診断や予防接種、去勢避妊手術といった一般的な診療を行っている。その一方で、腸内環境の改善につなげるための、食事のアドバイスや診療も行っているという。「細菌叢（マイクロバイオーム）」に着目して、腸内環境を改善することによって、ペットの口腔ケアやスキンケアにアプローチするのが目的だとしている。
動物病院では、目に見えない菌の状態から、ペットに発生している症状の原因や、未来の健康リスクを分析。その結果に基づき、アドバイスを行っていくとしている。
▲KINS WITH 動物病院KINSでは当初、ペットに対する菌ケアサービスを展開する考えはなかったそうだ。KINSのサプリメントの顧客から、「ペットにも使いたい」という声が寄せられたのが、サービス提供のきっかけになったという。ペットケアサービスの展開に先立っては、ペットに関する綿密な市場調査を実施。獣医師からのアドバイスなども受けたという。
同社では、動物病院のほかに、犬・猫の腸内環境をケアする「KINS WITH（キンズ・ウィズ）」というサプリメントの定期ECサービスも展開している。ペットの菌の状態を知ることができる検査と、菌の状態に合わせた乳酸菌サプリメントの定期配送を、セットで提供するサービスだ。同サービスでは、ペットの食生活や生活習慣に関する相談を、LINEを通じて、専門のコンシェルジュに相談することもできる。
同社では今後、2店舗目の動物病院の開設を進める予定。3～4年以内に動物病院を10店舗まで拡大させる考えだ。
