2022.11.13

小説×コーヒーのサブスク「ものがたり珈琲」が話題 SNSやギフトに注力、第2成長へ

絆家 平岡雅史代表

シェアハウスを運営する絆家は、コーヒーと小説のペアリングを体験できるサブスクリプション(サブスク)サービス「ものがたり珈琲」を提供している。ユニークなサービスはクラウドファンディングで話題を集めたが、継続率が一時低下したという。CRM施策を強化して継続率を改善、ギフトにも注力し、第2成長に向けて走り出している。

「ものがたり珈琲」は、生活シーンと気持ちに合わせてブレンドしたコーヒーと、オリジナルの短編小説を毎月セットで届けるサブスクサービス。2021年2月にクラウドファンディングでサービスの利用者の募集を開始すると、ユニークな組み合わせが受け、250人から支援を集めた。

その後、顧客は順調に増えたものの、継続率が思うように伸びなかったという。平岡社長はサービスの魅力が顧客に伝わっていないと考えた。

「テーマに合った物語をつづっていただける小説家を開拓したり、バリスタと物語に最適なブレンドを考えたり、パッケージのデザインにこだわったりとサービスには自信があった。もっとこのサービスの魅力を利用者さまに伝えた方が良いと思った」(平岡社長)と言う。

2022年2月から、月に一度ほどのペースでポップアップストアを開設した。新規顧客との出会いの場でもあるが、既存顧客とコミュニケーションを深める場としての意味合いも大きいという。

さらに、会報誌を制作し、小説やブレンドコーヒーを作り上げる舞台裏を伝えたり、サービスに携わるスタッフを紹介したりしている。会報誌は発行を始めてまだ4カ月しか経っていないが、手応えは感じている。継続率は上向きだという。


▲コーヒーと短編小説をセットでお届けする「ものがたり珈琲」

新規顧客の獲得も強化している。インフルエンサーマーケティングに注力し、SNSを通してサービスの魅力を伝えている。

特に力を入れているのがギフトだ。体験ギフトとしてサービスを利用した顧客が、コアなファンになる場合もある。ギフトはクリスマスや母の日、バレンタインなどイベントに合わせた商品を開発する予定だ。

「ギフトを強化し、新たな顧客を増やしたい。将来的にはギフトが7割、サブスクが3割くらいの顧客比率を目指す。そして毎月、5000人にサービスを届ける規模に拡大したい。この規模になれば、コラボレーションもしやすくなり、小説を書きたいと思う作家も増え、サービスをより魅力的なものにできるだろう」(同)と話している。

全国のコーヒーショップと提携して、サービスの提供チャネルを拡大する計画もあるという。





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