2022.08.16

【インタビュー】タンスのゲン 橋爪裕和 常務取締役「2022年7月期は売上高243億円超 商品価格値上げも増収で着地」


家具・家電EC大手のタンスのゲンの2022年7月期における通販売上高は、前期比7.4%増の243億9000万円となった。近年の巣ごもり需要の拡大もあり売り上げを伸ばす一方で、足元では製造原価や輸送コスト増加により、商品価格の段階的な値上げを余儀なくされているという。橋爪裕和常務取締役に前期の振り返りや原価高騰への対策、EC創業20周年を迎えての抱負などを聞いた。


上期と下期で明暗


――前期(2022年7月期)の振り返りを。

上期(2021年8月―2022年1月期)と、下期(2022年2―7月期)で明暗が分かれた1年だった。

上期は、2021年7月期業績を引き継ぐ形で売り上げも好調に推移したが、下期は、ウッドショックや円安に伴う原価高騰により商品価格の値上げを強いられ、苦戦することになった。「楽天市場」などのECモールでは、価格面で競争力が低下し、思うように売り上げを伸ばせなかった。

前半戦の収益を、後半戦では消費する形となり、なんとか7%の増収で着地できたという状況だ。

海外からの輸送費が1年間で2~3倍に膨らむなど、コスト増加の影響は甚大だ。コストを吸収できる部分は吸収しているが限界はある。商品の値上げは、状況が悪化するに従って段階的な対応を迫られているという状況だ。

商材としては、マットレスなどの寝具類、アウトドア商品や家電が好調だった。全国的な猛暑の影響により、暑さ対策関連の季節家電も販売が伸びている。

チャネルの中では、「本店」である自社サイトが好調だ。「本店」限定の商品開発など、独自の取り組みが「本店」の集客に結び付いている。

アウトドアなど特定分野のインフルエンサーと協業し、商品企画などを行う「タンスのゲン公式アンバサダー」は、新規顧客開拓の面でも一定の成果を収めている。

今期は集客において、今まで以上の苦戦が予測される。独自の取り組みやお得さの訴求で「本店」の価値向上に、引き続き注力したい。

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