2022.05.30

【EC業界で「当日配送」流行の予感】配達ツール「beepデリバリー」がEC向け本格化

beepnow systemsが提供する配達ツール「beepデリバリー(ビープデリバリー)」は、デニーズやペッパーランチなど大手飲食店チェーンのクイックデリバリーサービスをシステム面や運用面で支援している。このたび、EC事業者向けのクイックデリバリー支援サービスを本格化する。配送会社への依頼や管理を一元化できるサービスを提供し、注文した当日に商品を配送するクイックデリバリーサービスを手軽に実装できるようにする。すでに多様なEC事業者から引き合いが来ており、今後、物販系ECのクイックデリバリー化が急速に進むかもしれない。

「beepデリバリー」はもともと、大手飲食チェーンが自社でデリバリーサービスを導入する際に、配送員を管理したり、最適な配送ルートを提示したりするために開発されたウェブサービス。自社のデリバリーサービスと外部のデリバリ―サービスを一元管理できるようにしたり、同じグループの近隣店舗の配送を1度にできるようにしたりと、デリバリーに注力する飲食店の”かゆいところに手が届く”サービスとして重宝されてきた。


▲配送会社への決済や見積もりはbeepデリバリーが代行

beepnow systemsはクイックデリバリーのさらなる需要に応えるために、「beepデリバリー」のサービスに加えて、配送会社のネットワークを構築し、EC事業者のクイックデリバリーサービス導入を支援できる体制を整えた。現在は東京23区、大阪市の顧客向けに当日配送できる。配送エリアは今後、拡張していく計画だ。

「私はもともと、楽天グループで翌日配送サービス『あす楽』の立ち上げに携わってきた。当時は翌日配送は必要かという議論もあったが、今では”当たり前”のものとなっている。そして、今では家電量販店などが当日配送を提供している。飲食店ではクイックデリバリーが”当たり前”になったが、EC業界においても同様のサービスが”当たり前”になる可能性は大きいと思う」(アレックス・サイ社長)と話す。


▲アレックス・サイ社長

アレックス社長は、「beepデリバリーは配送会社のtrivago(トリバゴ)のようなサービス」と説明する。「trivago」は世界中のホテルの料金やサービスを簡単に比較できるサービス。「beepデリバリー」も、バイク便や軽貨物便、ギグワーカーなどをネットワークしており、配送依頼時に最適なサービスを選択できるという。有力配送会社と組んでいるほか、ギグワーカーも3万人以上登録している。条件を決めて自動で配送会社とマッチングして依頼することも可能だ。


▲beepデリバリーで依頼できる配送会社一覧

「すでにSIMカードやPCR検査キットの販売会社などにサービスを提供している。これまで最短で12分で顧客に届けた事例もある。クイックデリバリーサービスをオプションとして通常配送をより高い料金に設定することで、配送コストを顧客に負担していただくことも可能だ。クイックデリバリーを導入したことでEC売上高が20%増加した事例もある」(同)と話す。

PCR検査キットの販売事業者には、キットで唾液を採取し、病院に届けるサービスも提供している。配送だけでなく、引き取りまでワンストップで提供することができる。

現在、すでに健康食品のトライアル商品を当日配送したり、家電製品の下取りを行ったり、パソコンの買い取りを行ったりする目的で「beepデリバリー」を導入しようと検討している事業者があるという。

クイックデリバリー専用の注文サイトを構築できるサービスも提供している。既存のECサイトのシステムと連携し、クイックデリバリーを提供する支援も行う。カートシステムとの連携を進めており、すでに「Shopify」や「MakeShop」などとの連携実績がある。

「配送エリアの近郊に倉庫がある場合は、倉庫で配送員が商品を引き取り、顧客宅に配送を行う。倉庫がない場合は当社が提携する倉庫や配送会社の拠点に在庫を置き、そこからクイックデリバリーを行うことも可能だ」(同)と話す。

管理システムや注文サイト構築、在庫保管までサポートできる体制を整え、EC事業者が大きな負荷なくクイックデリバリーを導入できるようにしている。


「beepデリバリー」
https://beep-delivery.com/lp/retail.html




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