2022.03.17

最高裁、だいにち堂の上告棄却 「措置命令は公共の福祉に合致」

だいにち堂が景表法違反を指摘された広告

広告表示について合理的な根拠を示さない事業者に措置命令を下せるとした景品表示法の規定が、憲法上の表現の自由を侵害するかが争われた訴訟の上告審判決で、最高裁は3月8日、上告していた、だいにち堂の訴えを棄却した。

渡邉惠里子裁判長は、「優良誤認表示の要件を満たすことが明らかでないとしても、所定の場合に優良誤認表示とみなして直ちに措置命令をすることができるとすることで、事業者との商品等の取引について、自主的かつ合理的な選択を阻害されないという一般消費者の利益を、より迅速に保護することを目的とするものであると解されるところ、この目的が公共の福祉に合致することは明らか」として、合憲との判断を示した。
 
消費者庁は2017年3月、だいにち堂が販売していた健康食品「アスタキサンチン アイ&アイ」の広告表記について、優良誤認表示であるとして、景表法に基づく措置命令を行った。だいにち堂は2016年6月、朝日新聞の全国版に「ぼんやり・にごった感じに」「やっと出会えたクリアでスッキリ」といったキャッチコピーとともに、中年男性が新聞を読んでいる写真を掲載。消費者庁は、広告における表示が目の症状を改善するかのような誤認を招くと判断した。
 
だいにち堂は2017年3月、通販サイトで、「今回の措置命令は、(中略)弊社内の問題にとどまらず、業界全体を委縮させる恐れがあると考えるので、法的に対処することを検討する」と表明。同年8月24日、措置命令の取り消しを求めて提訴していた。


▲最高裁では措置命令が合意であるとの見解を示した

最高裁判決では、裁判官5人全員の意見が一致した。
 
判決文では、「一般消費者は、当該事業者がした表示のとおりの品質等が当該商品等に備わっているものと期待するのが通常」「実際にこれが備わっていなければ、その自主的かつ合理的な選択を阻害される恐れがあるといい得る」「事業者は、その裏付けとなる合理的な根拠を有していてしかるべきである」とする判断も示している。



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