画像検索経由のCVRは6倍
――「popIn Action」の成果はいかがですか?
林:まず導入までがとても早かったです。こちらの工数はほぼなく、指定のタグを入れて、フィードを渡すだけでした。実装してみて見え方やUIも問題ありませんでした。「UNDEFEATED」では、画像検索経由のユーザーのセッションあたりのPV数は平均値の476%、滞在時間は平均値の458%、CVRが平均値の600%と高い成果を出すことができました。画像検索を使ったお客さまがよく回遊し、コンバージョンにつながりやすくなっています。
画像検索の結果、購入していただいているのが、オリジナル商品が多かったことも良いインパクトでした。オリジナル商品を優先表示しているわけではないのですが、ユーザーが画像で見比べていった結果、オリジナル商品が買われやすい傾向になっていました。
吉岡:これだけ取扱商品数をお持ちだと、どうしても埋もれてしまう商品が出てきます。ランキングに入っていないオリジナル商品でも、セレクトアイテムと似ているアイテムが画像検索によってユーザーの目に触れ、掘り起こしにつながっているのだと思います。
――画像検索はどのようなシーンで活用されているのですか?
林:SNSで見かけたアイテムをスクリーンショットで保存して検索したり、雑誌に掲載されている写真をスマホで撮影して検索したりする活用方法が多いと思いますが、当社ではリアル店舗のスタッフも接客に画像検索を活用しています。お客さまがお探しのアイテムを導き出したり、ECの商品データを活用して在庫を確認したりする際に活用しています。着用しているスニーカーをスマホで撮影して検索したり、店頭のアイテムを撮影して検索しています。リアル店舗の部署に画像検索の機能を周知し、OMO施策として全社的に取り組みが始まりました。スーパーバイザーや店長がスマホを用いた接客手法の1つとしてスタッフに共有しています。
吉岡:お客さまも店舗スタッフさまも若い方が多いので、スマホを用いて接客することに抵抗はないと思います。店舗スタッフさまが一方的に「この商品がお薦めです」と接客するより、自然なコミュニケーションの中で、「イメージに近い商品を探します」とお客さまと一緒になってスマホで調べた方が、お客さまにとっても受け入れやすいと思います。「第三者の目線で似ているアイテムを店員が教えてくれた」という印象を与え、ポジティブなイメージを持って頂けるのではないかと思っています。
スタージョイナス 林大貴 氏(写真左)とpopIn 吉岡真宏 氏 類似アイテム検索もCVR5倍
――商品ページで閲覧している商品と似ている商品を検索できる「類似アイテム検索機能」の成果はいかがですか?
林:「類似アイテム検索機能」も同じように高い成果を上げています。利用者のセッションあたりのPV数は平均値の307%になり、滞在時間は278%、CVRは507%と良い結果が出ています。広告経由などで来訪した新規ユーザーに効果を発揮できていると見ています。商品に興味を持って来訪したユーザーに、「他にもこんな商品がありますよ」と提案するように、ワンクリックで似たようなイメージの商品を紹介できる機能は、新規ユーザーの購入への後押しになっています。
AIによる商品レコメンド機能も入れていましたが、ブランド側が一方的に買ってほしい商品をお薦めしているように受け取られていたかもしれません。シンプルに、見ている商品と似ている商品を見つけて教えてくれる機能は、ユーザーファーストのサービスとして受け入れられやすいと思います。
吉岡:「UNDEFEATED」などスタージョイナスさまの展開しているブランドは、多くのファンが付いていると思いますので、自力でお気に入りのアイテムを探したいという欲求があると思います。「類似アイテム検索機能」で商品を探す行為は、システマティックにお薦めアイテムを提示するレコメンドとは異なり、自分で見つけ出した感覚が強いと思います。
新たなマーケ手法も開発中
――今後、popInにさらに期待することはありますか?
林:商品ページ以外にも「popIn Action」を導入できるということなので、今後相談していきたいです。「popIn Discovery」もさらにマーケティング効果が高まる機能拡張は大歓迎です。
吉岡:「popIn Action」はスタッフコーディネートやウェブマガジンにも導入できます。ぜひ導入ページを増やし、さらに効果を高められるようにご相談できればと思います。「popIn Discovery」では、提携メディアとさらに踏み込んだ取り組みを展開する構想があります。提携メディアに「popIn Action」を導入し、そのメディアに掲載している画像と似ているアイテムを、広告主であるアパレルブランドのアイテムからピックアップして紹介するサービスを実現します。広告主からはCPCで広告費をいただく形は変えず、より送客効果の高いサービスを提供できると思います。メディア側にも新たな収益化のソリューションとして喜んでいただけると考えています。
<スタージョイナスの展開ブランド>
「UNDEFEATED」「FIGURE」「IN THE HOUSE」「BAIT」<popInの展開サービス>
「popIn Action」「popIn Discovery」