2022.03.01

「eBay」、2021年の越境ECトレンドを公開 売れ筋ランキングはポケモン、取引額カテゴリはブランドバックが1位に

2021年のカテゴリー成長率TOP3

世界最大規模のオンライン・マーケットプレイス「eBay(イーベイ)」への出店を通じ、日本セラーの越境ECを支援するイーベイ・ジャパンは2月25日、2021年度第4四半期(10‐12月)、および2021年の年間の日本セラーから出品されたアイテムの販売動向を発表した。第4四半期の売れ筋商品は、1位の「ポケモンカード」の新作をはじめ、上位5位をゲーム関連が独占した。一方、年間の取引額ランキングは、安定した人気のブランドバッグが1位、腕時計が2位となった。

【<画像9点>販売額TOP5など100万円超の取引商品はこちら】

イーベイ・ジャパンは、日本のセラーにおける越境ECの販売動向を公開した。2021年度第4四半期のトレンドとして、売れ筋ランキングにおける「ポケモンカード」をはじめとしたゲーム関連の上位独占、米国で定着する中古品プレゼント需要によるゲーム&おもちゃの売上増、100万円超商品における腕時計の人気を挙げた。一方、2021年の年間ECトレンドには、高額取引増加を受けたブランドバッグ、時計が取引額の1位・2位を獲得したこと、カテゴリー成長ランキングにおいてトレーディングカードが昨年比+218%に市場拡大したことを挙げた。

2021年第4四半期(10~12月)の日本からの越境ECにおける売れ筋商品は、12月に発売された「ポケモンカード」の新作「ポケモンカードゲーム ソード&シールド」のハイクラスパック「VMAXクライマックス BOX」が1位。同じくソード&シールドの拡張パック「25th ANNIVERSARY COLLECTION」が2位と「ポケモンカード」が並んだ。「ポケモンカード」関連の商品は、第4四半期で取引された商品の約50%に上る。2020年の第三四半期から、6期連続で売れ筋ランキングの首位に輝いており、世界的な人気と需要がデータにも表れている。

【第4四半期 売れ筋商品ランキング】


続く3位から5位には、年末のギフト需要の高まりから「PlayStation(R)4」「Nintendo Switch Lite」、ポケモンのゲームと連動したガジェット「モンスターボールPLUS」がランクインした。米国では、若者を中心に「中古品をあえて買う」という文化が広まっており、中古品をプレゼントすることにも抵抗がない傾向があるとし、これらの商品も中古品も含めて売れ行きを伸ばしたようだとしている。その他、惜しくもTOP5入りは逃したが、VTuberグループの「ホロライブ」のトレカや、韓国の男性アイドルグループ「Stray kids」のグッズなどが売り上げを伸ばしており、今後の注目と言えそうだとしている。

「eBay」では、2021年6月から独自の決済システム「Managed Payments(マネージド・ペイメンツ:「eBayペイメントサービス」)新たに導入。これにより日本のセラーは従来の決済システムの取引最大額だった1点につき100万円を超える商品の海外販売が可能になり、さらにビジネスの可能性が広がった。第4四半期の3カ月間も200点近い商品が100万円超で取引された。

販売金額がもっとも高かったのは5万9920ドル(約692万円)で販売された「ロレックス デイトナ」だった。「ロレックス」は、今回の最大額引き上げにより一気に取引が増え、100万円超えを果たしたブランドのシェアで45%を占めました。15%の「エルメス」(バッグ)、4%の「キャノン」(カメラ、レンズ)がそれに続き人気となっている。



100万円超えの商品カテゴリーシェアの1位は、「ロレックス」が牽引する形で腕時計が全体の62%を占め新たなトレンドとなった。「ウブロ」や「オメガ」も多数の商品が高額で販売された。2位には、ブランドバッグ(17.2%)、3位にはカメラ関連(7.8%)が続き、上位3カテゴリーで全体のほぼ9割を占める結果となった。成長率や売れ筋ランキングで1位を独走しているトレーディングカードは、次点の4位となっており、日本からの高額取引という点ではまだまだ伸びしろがありそうだとしている。

その他、日本ならではのアイテムや変わり種の商品も高額で取引されている。約 289万円で販売された1/12のガンダムは、全長約1.5mのビッグサイズモデル。定価は約35万円だったもので、8倍超の値が付いたことになる。音響で有名なオーディオテクニカが製作した“すしマシン”「AUTECのりまきロボット」は、細巻やカリフォルニアロールに必要な「シャリ板」を簡単に作ることができ、約154万で取引された。約225万円の値が付いたキャノンのレンズ「アスフェリカル」は。1975年発売のロングセラー商品。カメラ関連は元来「eBay」でも日本のブランド、日本セラーが人気のカテゴリーだが、近年のアナログ回帰のトレンドでフィルムカメラやレンズにも注目が集まり、高額商品の取引も増えている。約116万円の値が付いた日本刀「皆焼(ひたつら)刃文」など、日本古来の文化に根付いたもののもコンスタントに取引されている。

カテゴリー別の2021年年間取引額ランキングでは、女性向けのブランド品が1位となった。年間を通して1度も1位を譲ることなく、2位以下は四半期ごとに順位が入れ替わるなか安定した人気を誇った。2位の「腕時計・パーツ&アクセサリー」は、100万円以上の商品取引が可能になったことで、「エルメス」や「ロレックス」など高級品の取引が活発になり平均単価が上昇した。1位・2位は、どちらも安定した人気のカテゴリーであることに加え、100万円超えの高額取引の増加により、さらに活性化したとしている。3位には「トレーディングカード」がランクインした。昨年6位から大きく躍進しており、ブームを超え、定番の人気カテゴリーとして定着しそうだとしている。

【2021年 取引額TOP10】


成長率トップ3では、取引額ランキングで3位に躍進したトレーディングカードが1位を獲得。前年比+218%の圧倒的な伸びを見せ、「ポケモンカード」をはじめとした世界的な人気が結果に反映された。2位の自動車パーツは、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、半導体不足や米国のサプライチェーンが寸断されていることで需要が集まったことも起因した順位を伸ばした。3位にはアクションフィギュアがランクインした。

これらの結果を受け、カテゴリーマネージメント部 カテゴリーマネージャー 北村氏は、「ファッション・腕時計カテゴリー」について、「主要カテゴリーの一つである女性向けブランドバッグは日本国内の商材供給が安定し始めたこともあり、引き続き伸びを見せました。腕時計は決済システムの移行に伴った100万円リミットの撤廃により、多くのセラーが高価格帯高級時計を出品し売上増につながりました。腕時計は、100万円以上商品販売においては50%近くのシェアとなり、特に「ロレックス」は真贋保証サービスの効果もあって、アメリカ国内よりも日本国内の取引がコンバージョンを上回る結果となりました」と振り返った。

カテゴリーマネージメント部 カテゴリーマネージャー 市田氏は、「トレーディングカード、アニメ・キャラクターグッズカテゴリー」について、「コレクティブルカードのカテゴリーでは、10月に発売された『ポケモンカード』の25周年記念カードボックスと新作のハイクラスボックスの売上が大きく伸び、好調を維持しました。また特典プロモカードなどシングルカードの販売も多く、さらに100万円を超える高額カードも目立ちました。『ポケモンカード』以外にも、VTuberグループの「ホロライブ」のカードボックスや、MLB大谷翔平選手のカード販売も好調でした。その中でもヴァイスシュヴァルツのカードは大きな伸びが目立ちました。アクションフィギュアおよびビデオゲームカテゴリーはクリスマス、年末年始の需要もあり、売上を伸ばしました。ビデオゲームカテゴリーの中でも『Nintendo Switch』『Nintendo 64』や『PlayStation』などの本体機器の販売が増えたことが特徴的でした」と述べた。

カテゴリーマネージメント部 カテゴリーマネージャー 古谷氏は、カメラカテゴリーについて、「年間取引額ランキングで4位にフィルムカメラ、6位にレンズ・フィルターと高い順位に位置しており、『Canon』や『Nikon』、『Pentax』や『Mamiya』など、日本の著名メーカーの中古品が非常に好調です。フィルムカメラにおいては、日本より海外の方が高く売れる商品が多いという内外価格差と、世界的なアナログ回帰のトレンド及び熱狂的な支持者からの購入によりコロナ禍であっても高い回転率で販売出来ることが魅力となっており、人気を維持してます。精密機器というカメラ商材の特性上、特に高単価な商品は日本から状態の良いものを安全に購入したいという消費者心理もあり、『Leica』や『Contax』など高額商品も大きく動いています」とコメントした。

さらにその他のカテゴリーについても、「オートパーツが引き続き高い成長率を維持。年間で+69%の成長となりました。米国のオートパーツの需要は継続しており、今後さらに市場拡大が予測されています。COVID-19パンデミックにより、自動車業界全体のサプライチェーンが寸断され、オートパーツの生産に影響が出ていることで、『eBay』の中古部品にも注目が集まっており、中でもいわゆる「JDM」、日本車仕様にカスタマイズするためのパーツ、ホイール、関連商品の販売が好調です。ほか、ランク外ですが、楽器のギター&ベースのカテゴリーも高級ヴィンテージギターの販売が好調で、中には100万円を超えるアイテムも売れています」と述べた。

総括と今後の予測として、カテゴリーマネジメント部 部長 中里氏は、「昨年、日本セラーの取扱高は前年比40%以上の成長を遂げました。コロナ禍において国内外の市場で様々なトレンドの変化があったなか、上記ランキングに含まれていないニッチがカテゴリーにも、世界中の“Enthusiast”(熱狂的な)バイヤーの注目が集まりました。今年はマネージド・ペイメンツによる高額取引の増加、プロモーテッド・リスティング(サイト内広告)の進化による販促機能の拡充、そして今後も予定されている真贋保証サービス(Authenticity Guarantee)対象カテゴリー・ブランドの拡大によって、日本セラーの更なる商品露出、および販売率の向上を見込んでおります」とコメントした。



RECOMMEND合わせて読みたい

RELATED関連する記事

RANKING人気記事