2021.08.10

FABRIC TOKYO、初のレディース向けブランド「INCEIN」リリース 「CHOOSEBASE SHIBUYA」に1号店開設


9割の女性が既製品のサイズに不満


女性の社会進出が進み、責任あるポジションで活躍することが増えた一方、女性が働く際の服に関してはいまだに色や形などにおいて暗黙のルールが存在し、選択肢が限られているという現状がある。また、既製品の服に関する悩みの多くに、サイズへの不満がある。FABRIC TOKYOが20代~30代の働く女性へ実施したヒアリング調査によると、対象のうち9割の女性が、既製品の服のサイズに対し不満を持った経験があることがわかった。「既製品のサイズが合わないことで、自分の身体にコンプレックスを持つようになってしまった」というケースもあったとし、服を身体に合わせるのではなく、ありのままの自分を表現でき、かつ美しく見せてくれる服が必要だとの考えに至ったという。

FABRIC TOKYOは、「Lifestyle Design for All」というビジョンのもと、誰もが自分らしいライフスタイルを自由にデザインできる世界の実現を目指し、スーツを中心としたオーダーメイドのビジネスウェアブランド「FABRIC TOKYO」や、クリエイティブ・ワーカーのためのオーダーメイドアパレルブランド「STAMP」を展開してきた。「INCEIN」では、これまで展開してきた事業で培ったテクノロジーなどのノウハウを活用し、体型やスタイルの好みに合わせたオーダーウェアを適正な価格で提供するとしている。

また、ジェンダーやバックグラウンドに関係なく、あらゆる人が活躍できるフィールドを増やすことが「INCEIN」のミッションであるとし、そのためには地球環境と社会にとって持続可能であることが不可欠であるとの考えから、「すべての人に選択の機会を提供する」というポリシーのもとサステナビリティの取り組みも行う。一部商品にリサイクルポリエステルや天然素材など、洋服づくりにおける環境への負荷を軽減することができる素材使用するとともに、売上の1%を女性・マイノリティ活躍のための支援活動をしている国内外の団体へ寄付するとしている。

「INCEIN」の展開開始に先駆け、「INCEIN」ブランドマネージャーの杉山夏葵氏は、「『INCEIN』は、自分が大切にしている思想、信念を軸にデザインやカラーを『選択』する1着を通し、自分に対しての誇りを高め、人生をもっと楽しんでほしいという思いを込めて『Every Choice, always proud.』というコンセプトを掲げています。

私は、自分の幅広く分厚い胸囲がコンプレックスでした。その原因のひとつが、既製服のサイズが合わないことが多かったことです。『枠からはみ出ていて、美しくない』と言われているようで、その部分をコンプレックスに感じてしまうようになったのです。そんな時、自身の体型を美しく見せてくれる服と出会いました。その服を着ていると、周囲に『素敵だね』と声をかけてもらうことが多く、その一言で1日頑張ることができる。コンプレックスだと思っていた自身の身体に少し誇りを持てるようになりました。服の大きな力を感じるとともに、決められた身体のサイズにとらわれない、もっと今のままの自分自身を好きになることができるような服が必要なのではないか、と感じ、オーダーウェアというアプローチならば、『服に身体を合わせないといけない』という課題を解決できると思い、『INCEIN』の構想がスタートしました」と話す。

「『INCEIN』というブランドが提供する、『自身で選択する』という体験が、画一的な基準や不文律なルールのディスラプトにつながり、真の意味で多様性が尊重される社会をファッションの力で実現することを目指したいと考えています。まずはお客さまに心から喜んでいただけるプロダクト作りに向き合うこと。そして、売上の一部を女性やマイノリティの方々の活躍を支援する団体へ寄付するなど、微力ながら今できることに取り組み、さらなる活動へ発展させることができるよう努めていきます」とコメントしている。

FABRIC TOKYOの代表取締役CEO森雄一郎氏は、「FABRIC TOKYO初の女性向けブランドを発表できて大変嬉しく思っています。今回、女性向けにアパレルブランドを立ち上げようとした背景のひとつに、私が普段企業経営を行なっている際に感じていた課題があります。私たちFABRIC TOKYOには2021年8月現在、従業員約120名が所属していますが、その内半数近くが女性社員です。にも関わらず役員や経営幹部層には社外取締役を除き女性はおらず、マネージャーも12名いて女性は2名のみ。社員たちとの面談の機会などで『マネージャー(そしてその先の役員)を目指さないか?』という話をするのですが、仕事は大好きだけどマネージャーとなると自分には自信がない・向いていないと思う・まだ自分には早い、このような回答が返ってきます。もちろん女性特有のライフイベントなどがあり問題は単純なものではありませんが、優秀で仕事も楽しみたい女性にもっと自信や勇気を持てる機会を提供したい。私たちは服を商材に扱う企業ですから、衣食住の衣の面から挑戦する女性の背中を押したい。そうして産まれたのがINCEINです」とコメントした。



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