2020.03.27

「機能性表示食品」の 公正競争規約原案の骨組み固まる 新型コロナで策定に遅れも

公正競争規約が原案に盛り込む予定の”違法表示”の類型

(公社)日本通信販売協会(JADMA)と健康食品産業協議会が策定を進めている機能性表示食品の公正競争規約について、規約の枠組みが固まりつつあることがこのほど分かった。消費者庁が示している「機能性表示食品の事後チェックに関する指針」の内容も盛り込む方針だという。21年3月末をめどに、規約の運用開始を目指すとしているが、新型コロナウイルスの影響で規約の策定に遅れが出る可能性もあるという。

「7つの類型」を参考に


機能性表示食品の公正競争規約は、2019年10月にJADMAが策定を行うことを明らかにした。健康食品産業協議会に「公正競争規約準備室」を設け、一元化した検討を行っている。

公正競争規約準備室の室長で、JADMAの植木正樹調査役によると、公正競争規約の内容として、①必要最低限の表示事項(製造業者や内容量、機能性関与成分など)②特定事項の表示基準(機能性表示食品の評価方法など)③不当表示の禁止(景品表示法違反の事例など)――を盛り込むとしている。

③の不当表示の禁止については、消費者庁が4月1日の運用開始を予定している「機能性表示食品の事後チェックに関する指針」と整合性を図る。具体的には、「お悩み解消」「医師や専門家の推奨」「体験談」などといった、景表法上問題となるおそれのある7つの表示の類型を、不当表示の代表例として示す考えだ。

罰金や除名処分も検討


JADMAや健康食品産業協議会の会員が、規約に違反するような広告表示を行った場合には、是正勧告を行う。是正勧告に従わないようなケースでは、違約金を課したり除名処分にしたりするといった規定を盛り込むことも検討しているという。

「業界団体の内部で規約の順守を徹底するような内容にしていきたい」(植木準備室長)としている。

公正競争規約の原案は2020年4月以降に、中身の本格的な検討に入る。消費者庁と内容のすり合わせを行い、2020年11月ごろまでに内容を固める。その後、公正取引委員会と情報を共有し、パブリックコメントを経て、2021年3月をめどに運用を開始する青写真を描いている。

ただ、新型コロナウイルスの影響で、規約の検討会の開催が困難になりつつあるという。「準備室のメンバーは、健康食品メーカーなどの責任者が兼務しているケースが多い。自宅勤務などになったメンバーも多く、スケジュールを合わせるのが難しくなっている。規約の原案の策定に遅れが出る可能性がある」(同)と話している。

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