2024.10.21

【データに見る「ECの地殻変動」】<第32回>経産省EC市場調査レポートに見る真の成長性

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9月25日に経済産業省よりEC市場調査レポートが発表された。2023年の物販系BtoC‐EC市場規模は14兆6760億円。EC化率は9.38%となっている。市場規模の伸び率は前年比4.83%とついに5%を切った。

ちなみにコロナ禍の2020年には伸び率が21.71%と急上昇したが、2021年は8.61%とある意味正常化。そのまま伸び率は7~8%台を数年間維持するかと思いきや、想像以上に反動が大きいということなのだろう。

そこで今回はEC市場の成長性をテーマに話を掘り下げたい。一般的な見方はシンプルに”EC市場規模は4.83%増えたのだな”と思うに止まるだろう。しかし、筆者の着眼点は異なっている。

是非『EC化率の伸び率』に着目して欲しい。2022年のEC化率は9.13%だが、2023年は9.38%。即ちEC化率の伸び率は2.74%となる。EC市場規模の伸び率4.83%に対し、EC化率の伸び率はEC市場規模の伸び率の約6割でしかない。





そもそもEC化率とは分母を「チャネルを問わず消費者によって購入された金額」、分子を「その中でECによって購入された金額」として算出される値である。まさにECによる買い物比率のことだ。

仮に分母の値に全く変化がなければ、分子であるEC市場規模の伸び率と、算出されるEC化率の伸び率は同じである。反対に分母も分子も同じ伸びならばEC化率は変わらない。即ちEC市場の真の成長性はEC化率の伸び率で分かるわけだ。

以上が『EC化率の伸び率』に着目してほしい理由である。

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