2024.10.07

『nicoせっけん』創業者が年商20億円への舞台裏を書籍化 山口社長「厄介者だからできた」

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「nicoせっけん」などの通販ブランドを展開し、グループで年商約20億円を売り上げるエレファントの山口武社長が9月25日、初の著書「どこにも居場所のなかった僕が見つけた 『じぶんごと通販』の起業戦略」を発行した。エリートコースからドロップアウトし、自分は組織や社会の「厄介者」ではないかと疎外感に苛まれた山口氏は、顧客とダイレクトにつながることができる通販ビジネスと出会い、水を得た魚のように活躍する。ただ、通販業界には「儲け主義に走る人」「目先のノウハウを欲しがる人」が多いことも分かった。山口氏は独立し、「嘘」「モノマネ」ではない方法でもブランドを成長させることができると証明している。そんな山口氏が、自分と同じように組織から「厄介者」だと思われている人や、本質的なビジネスに挑戦したい人に向け、通販業界への招待状として、この書籍を刊行した。書籍には、山口氏が通販業界に入るまでの経歴や自社ブランドを急成長させた舞台裏、実践的に使える通販ビジネスの本質的なノウハウも記している。書籍を通して、自分と共感する仲間や取引先も増やしたいと考える山口氏に、書籍刊行に至る経緯や、通販業界への思いについて聞いた。



――エレファントはどんな会社なのか?

エレファントはもともと、通販コンサルの会社として立ち上げた。今では敏感肌の子ども向けのオーガニックスキンケア「nico」など複数のブランドを展開している。2024年7月期のグループ売上高は、約20億円となった。

コンサルをした企業の中には、他社の実績や売れ筋の商品を真似した商品を求める企業も多かった。他の会社が同じような商品を販売しているのに、同じような商品を作る必要があるのか、という疑問を感じていた。

いつか自社オリジナルの商品を展開したいと考えていた。そんな中、自分の子どもがアトピーだと診断された。市販のせっけんをいろいろ試したが、良いものが見つからず、妻とどうしたらいいか悩んでいた。同じような悩みを持つ親がいるのであれば、この悩みを解消する商品を作れないかと考え、敏感肌向けのオーガニックせっけん「nicoせっけん」を開発した。

――書籍を発行しようと考えたきっかけは?

自社のブランドを展開する上で、自分たちと共感する人を集めるためにどうしたらいいか考えていた。スタッフも少しずつ増えてきて、どんな会社か、どんなバックボーンがあって今の事業をしているのか、といったことを、どう伝えていくのがいいのかを考えていた。

会社のことや自分のこと、考え方を伝えるには、書籍が一番いいと思った。書籍を読んでどんな会社か知ってもらった上で応募してもらえば、会社に合う人が入ってくる。入社した人に書籍を読んでもらえば、考え方を共有できる。

当社の現状の事業規模だと、社員教育はOJT(オンザジョブトレーニング)になる。マニュアルも用意しているが、マニュアルは無機質なものなので、どうして当社がそういう考えに至っているのかまでは分からない。背景が分からず、仕事が作業になってしまうのは嫌だなと思っていた。

自社のために書籍を活用したいという考えもありつつ、目先のノウハウや儲け話を求めがちな通販業界に一石投じたいという思いもあった。


▲ダイヤモンド社から書籍を刊行。Amazonや大手書店で販売している

――通販業界に届けたい思いとは?

長期的に愛用される商品やサービスを通販で届けたいと思えば、向かっていく先は「いい商品を追求する」「顧客ときちんとコミュニケーションをとる」という方向性になるはずだ。

少し前のアフィリエイト全盛期は楽に儲けている事業者もあったかもしれないが、今ではそういうやり方は通用しなくなっているし、消費者とのコミュニケーションがきちんとしている会社じゃないと立ち行かない。

もともと本質的なビジネスだと思うし、よりまともな業界になってきている。そういう業界だということを、書籍でも伝えたい。

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