2024.09.03

『鈴廣かまぼこ』、インスタで「かまぼこのある暮らし」拡散 UGCでEC拡充にも活用

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鈴廣蒲鉾本店 企画開発部 兼 メディア営業部 部長 松井孝成氏(前列左から2人目)


「かまぼこ」の老舗ブランド「鈴廣かまぼこ」を展開する鈴廣グループは、「老舗にあって、老舗にあらず」の社是のもと、「かまぼこ」の食文化を守りながらも、時代や消費者の変化に合わせた挑戦を続けている。近年はDXを積極的に推進しており、2019年にECサイトを刷新するとともに、インスタグラムでの情報発信やUGC(ユーザー生成コンテンツ)活用に注力している。「#かまぼこのある暮らし」のハッシュタグが付いた投稿は、約3年間で1000件以上増え、普段の食卓に「かまぼこ」が並ぶシーンを確実に増やしている。ECサイトでも自社の作り込んだ投稿や、顧客の自然体の投稿を掲載し、コンテンツを着実に拡充している。老舗の食品メーカーが挑むSNS活用やECの取り組みについて、鈴廣蒲鉾本店 企画開発部 兼 メディア営業部 部長 松井孝成氏に聞いた。


社是「老舗にあって、老舗にあらず」を体現


――鈴廣グループの事業内容は?

1865年に創業し、今年で160年目となります。かまぼこの製造販売が主な事業です。直売店で販売するだけではなく、スーパーなどへの卸売りも行っています。売上高は100億円程度で従業員が約600人おります。

50年周期で事業転換をしており、現在は第3次創業期として本社がある箱根のふもとに直売所や博物館、レストランなどを設けた、かまぼこの複合施設「鈴廣かまぼこの里」も運営しています。「鈴廣かまぼこの里」には年間100万人くらいが訪れており、観光事業も1つの柱となっています。

 
▲「鈴廣かまぼこの里」

社是は「老舗にあって、老舗にあらず」です。創業から159年経つ老舗企業であり、かまぼこは1000年以上続く食文化ですので、製造や食文化については老舗として守っていく姿勢を持っています。

ただ、お客さまのニーズは変わってきています。お客さまのニーズに合わせた接客やサービス、そこにひも付くスタッフの働き方などについても、昔ながらのやり方に捉われず抜本的に変えていくことを推進しています。昨今では、DXの取り組みも推進しています。

――通販やECはいつぐらいから取り組んでいますか?

通販はインターネットが登場する前から手がけています。ECについても取り組み始めたのは早く、1997年くらいから運営していると思います。

2019年には、ECサイトをリニューアルしました。軽減税率など法改正への対応により、カートシステム変更が必要になったことがきっかけでした。 


▲2019年にリニューアルしたECサイト

ただ、カートシステムを変えるだけのリプレイスでは費用対効果が合わないと考え、コンセプトを持ったECサイトに刷新し、攻めの姿勢を持たせたいと考えました。

ECサイトをただの「鈴廣かまぼこオンラインショップ」ではなく「かまぼこのある暮らし 鈴廣オンラインショップ」に改め、「かまぼこのある暮らし」を薦めるオンラインショップというコンセプトにしました。

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