2024.06.11

45%がアプリの利用継続をオフライン接点で判断 DearOneはスマホアプリのアンインストールの実態調査

DearOneはこのほど、一般消費者に対して、企業やブランドアプリのインストール、アンインストールについて調査を行い、その結果を公開した。45%が、アプリの利用継続をオフラインでの接点有無で判断していることなどがわかった。

DearOneは、NTTドコモのマーケティング分野における新規事業型子会社で、エンタープライズ企業を中心に200以上のアプリ開発実績を持つ。

先に実施した調査の結果、飲食店・小売店、ブランドなどの企業アプリは、使われなくなったらアンインストールされるなどの結果を得たが、「なぜわざわざアプリを消すのか」という点までは調査が至っていなかったとし、新たに企業やブランドアプリのインストール、アンインストールについての調査を実施した。

調査期間は2024年1月17日、調査対象は、小売店、スーパー、アパレルショップ、ドラッグストアなど店舗を持つ企業やブランドの独自公式アプリをインストールしていると答えた20歳以上の消費者342人。

公式アプリのインストール数をたずねた問いでは、もっとも多かった「1個~5個」(54%)、次に多かった「6個~10個」(24%)を合わせ、78%の人が10個以下であることがわかった。多くのブランドや店舗がアプリを開発・提供しているにもかかわらず、消費者のインストール数はそれほど多くないことが明らかになった。



アプリをアンインストールする理由をたずねた問い(複数回答)では、「長い間利用していなかった」(40%)と、「店舗やブランドに興味がなくなった」(23%)が上位となった。



その他、「スマホのアプリが増えすぎて、必要なアプリを探すのが手間になった」(19%)、「スマホのホーム画面のアプリが増えすぎた」(11%)との理由も多く、使わなくなったアプリをそのままにしておくと、アプリが見つけにくい、ストレージがいっぱいになるといった不便が生じるため、アンインストールされることもわかった。

「アプリを増やすのが嫌でインストールを見送ったことがあるか」をたずねた問いでは、「よくある」(18%)、「たまにある」(59%)を合わせ、77%の人が見送った経験があるという結果になった。



また、「新しくアプリをインストールするタイミングで別のアプリをアンインストールしたことがあるか」をたずねた問いでは、「よくある」が14%、「たまにある」が64%と、こちらも80%近い人が経験しており、スマホ内のアプリのインストール数が10個以下のユーザーにおいて、特にこの傾向が顕著なこともわかった。



この結果から、多くの人にとってアプリをインストールするタイミングが、「そのアプリが本当に必要かどうか」「不要なアプリは何か」を振り返るきっかけにもなっていることがわわかったとし、使い続けてもらうためには、常に消費者にとってアプリを利用し続けるための動機を提供することが重要と言えるとした。

「今使っているアプリについて共通する機能、使い続ける理由となっている機能」をたずねた問い(複数回答)では、「よく店舗に行く」が45%ともっとも多く、「クーポンが定期的に送られてくる」が36%、「dポイントなど共通ポイントと連携している/ポイント利用機能がある」が30%、「職場や自宅の近所に店舗がある」が25%で続いた。オフラインでの接点があることが、アプリを使い続ける最も多い理由であることがわかった。クーポン、ポイント、決済機能などの利便性、さらに店舗に行きたくなる施策が重要であることがわかる結果となった。



これらの結果を受け、DearOneは、「今回の調査により、スマホというスペースが無限に見える世界でも、消費者はストレスを感じるアプリの数に限りがあることがわかりました。何かのアプリをインストールするときには、別のアプリがアンインストールされる構造であることもわかり、公式アプリ間での競争が激しいことも示唆されています。かつての紙のポイントカードでは、限られた財布のスペースにいかに常に持ち歩いてもらうかが課題でしたが、現在ではそのフィールドが財布からスマホに移っただけかもしれません。しかし、紙のポイントカードの時代よりも情報量が増えたため、消費者の意思決定プロセスは複雑になっています。そのため、使い続けてもらうための施策や、オンラインとオフラインを統合したコミュニケーションなども重要になっていると言えるでしょう」と統括した。

こうした調査結果を踏まえて、飲食店・小売店などを運営する企業のアプリグロース、会員育成をさらに強力に支援する考えを示した。




RECOMMEND合わせて読みたい

RELATED関連する記事

RANKING人気記事