2024.04.18

【オルリンクス製薬の業務停止命令】消費者庁、JADMA、弁護士の見解は?

記者会見の様子(左)、定期購入契約の解除に関する表示(右)

消費者庁は4月9日、健康食品や化粧品の通販を展開するオルリンクス製薬に対して、特定商取引法に基づく3カ月間の一部業務停止命令を行った。北川雅人元社長には、同期間の業務禁止命令を行った。消費者庁によると、オルリンクス製薬は、健康食品のECサイト上で、「自動音声でいつでも定期購入を簡単に解除できる」かのように表示をしていたが、実際は、煩雑な手続きを経る必要があり、容易に解除できるものではなかったとしている。解約に関する表示を「誇大広告」と認定したのは初だという。
 
消費者庁によると、オルリンクス製薬は少なくとも2023年11月から12月の間に、健康食品「ZiGMα(ジグムアルファ)」のランディングページ上で、「24時間365日自動音声で解約可能」「限られた時間内でしか解約のできない不便さは一切ありません」などと、あたかも簡単な手続きにより、定期購入を容易に解除できるかのように表示していたという。
 
消費者庁は、今回の措置命令で、「実は、定期購入の解約に、複雑で煩雑な手続きが必要であるにもかかわらず、広告画面で『簡単に解約できる』と表示していた」ことを、誇大広告であると認定した。
 
景品表示法に詳しい、東京神谷町綜合法律事務所の成眞海(せい・しんかい)弁護士は、「解約手続きの表示を誇大広告と判断したのは新しい。ただ、表示を見た印象では、有利誤認表示であるという消費者庁の判断に、違和感はない」と話している。
 
今回の処分では、業務禁止命令を、現在の代表取締役ではなく、3月11日まで代表取締役を務めていた 北川雅人氏に対して行っている。
 
消費者庁では、業務禁止命令の対象について、「どの時点の代表取締役に対して業務禁止命令を行うかは明確に決まっていない。今回の事案では、北川雅人氏に対して業務禁止命令を行うのが適切だと判断した」(取引対策課)としている。
 
公益社団法人日本通信販売協会(JADMA)の万場徹専務理事は、「今回は、業務禁止命令を逃れようとして、代表取締役を外れたのが明らかではないか。業務禁止命令を盛り込んだ制度の趣旨に合っている」と話す。
 
オルリンクス製薬は、通販・D2Cのコンサルティングを手掛ける売れるネット広告社が、2024年2月に子会社化していた。
 
消費者庁によると、2020年4月~2024年3月の4年間、全国の消費生活センターには、オルリンクス製薬に関する相談が、年間100~200件のペースで寄せられていたという。「解約」に関するトラブルの相談が多く寄せられていたとしている。





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