楽天グループは3月29日、東京都が宅配事業者の再配達削減に向けた取り組みを消費者に意識啓発することを主な目的として実施するプロジェクト「東京物流ビズ」に参画したと発表した。「楽天市場」における再配達の削減や配送効率化の取り組みを推進し、物流業界の持続可能な発展への貢献を目指す。
楽天グループはこのほど、「物流2024年問題」を契機に東京都が主体となり実施するプロジェクト「東京物流ビズ」に参画した。
本プロジェクトは、宅配便の日時指定や宅配ボックスの利用、店舗受け取りなどについて消費者に積極的に周知し、利用を促すことで、荷物を1度で確実に受け取ってもらい、再配達を削減することを目的としている。
プロジェクト参画に伴い楽天グループは、運営するインターネット・ショッピングモール「楽天市場」において、再配達削減に向けた各種機能の紹介や呼びかけをより一層強化する。
「楽天市場」では以前より、ユーザーの利便性向上と、「2024年問題」に代表される物流業界の課題解決に向けて、配送・受取の選択肢拡充などを通じた再配達の削減、配送パートナーとの連携、およびデジタル技術の活用によるEC物流の効率化に総合的に取り組んでいる。
再配達の削減と利便性向上に関する具体的な取り組みとしては、「楽天市場」上の商品画面における「最短お届け可能日表示機能」および、「楽天市場」アプリ上の購入履歴画面における購入商品の配送追跡機能を提供している。
2023年8月からは、「楽天市場」の注文画面において、ユーザー自身が商品の配送日時を選択する仕様に変更し、受取日時指定の促進を図っている。「楽天市場」の複数店舗で購入した商品のまとめ配送を日時指定できるスマートフォン向けアプリ「おまとめアプリ」においても、置き配や再配達の依頼など、「楽天市場」で購入した商品の受け取りに関する機能を提供している。
さらに2024年7月からは、配送日の表示や日時指定対応など、商品の配送に関するユーザーニーズを幅広く満たす商品に対して「最強配送」ラベルを付与し、ユーザーが配送品質の高い商品を見つけやすくする取り組みの開始も予定。ユーザーが商品受け取り日時の指定に対し意識する機会を増やすことで、再配達が削減される効果も見込んでいる。その他、コンビニや郵便局などの自宅外受け取りの周知・促進も継続的に実施している。
配送効率化に関する具体的な取り組みとしては、「楽天市場」の出店店舗向け物流サービス「楽天スーパーロジスティクス」や、楽天が運営する直販サービスの物流拠点においてAIを活用して商品に最適なサイズの梱包資材を選択し、トラック積載効率の最大化を図る物流DXに取り組んでいる。その他、日本郵便と連携し、JP楽天ロジスティクスが運営する楽天フルフィルメントセンターから、複数の郵便局を経由することなく、配達を行う郵便局に直接輸送する「局直送」を実施している。
全国各エリアにある「楽天スーパーロジスティクス」の拠点間で在庫を最適に分散し、配送先の住所に近い倉庫から荷物を配送する「在庫分散」も順次開始しており、配送網全体の効率化と、出荷から配送までのリードタイム短縮を図っている。
楽天グループは、今後も各関係者と協力しながら、「楽天市場」に関連する物流の利便性向上と効率化に取り組み、Eコマースの健全な成長、および物流業界の持続可能な発展に貢献していく考えを示した。
