2024.03.28

【台湾の大手企業との提携に迫る】ベルシステム24 田中氏「AIと人のハイブリッド顧客対応パッケージを開発」

ベルシステム24 事業開発本部 海外事業開発部 田中啓士郎マネージャー


コンタクトセンター業界大手のベルシステム24は2024年1月、最先端のAI(人工知能)プラットフォームの開発や提供を手がける台湾のインツミットと業務提携を締結したと発表した。ベルシステム24の事業開発本部 海外事業開発部 田中啓士郎マネージャーは「当社とインツミットで、AIと人のハイブリッドによる新たな顧客対応パッケージを共同開発する。2024年春頃に、『Smart BPOサービス(仮称)』としての提供を目指す」と話す。田中マネージャーに業務提携の狙いや概要、今後の展望などについて聞いた。



――インツミットとの業務提携の狙いについて伺いたい。

インツミットのサービスは当社の有人対応との親和性も高いため、2021年頃から協業の検討を開始し、2022年にはテクマトリックスも含めた3社で共同サービス「CRM Next」を提供した。2023年8月に、業務提携に向けた協議を開始し、同11月に業務提携の方針で合意した。顧客対応での自動化ニーズが高まる中、インツミットが提供する先進的なソリューションを活用したAIと人のハイブリッドなサービスを開発・提供するため、今回の提携に至った。

――インツミットの事業内容についても伺いたい。

インツミットは、AI技術を強みとし、独自のアルゴリズムや機械学習などを活用したサービスを開発・提供している。

その中の一つである対話型AIプラットフォーム「SmartRobot」は、ウェブサイトやLINEといったメッセージングアプリ上で問い合わせを受け付け、生成AIとの連携による、音声データのテキスト化や問い合わせ内容の分析、返信レコメンドの自動生成などを行う。スムーズな問い合せ対応の自動化を実現する。 

これは国内においては、他社にはないサービスとなる。「生成AI」が問い合わせの一次受け付けから回答の振り分けまでを担うという新たな形が可能になる。

――今回の業務提携による取り組み内容はどのようなものなのか?

先ほど申し上げた「SmartRobot」を活用し、人とAIを掛け合わせた新たな顧客対応サービスを共同で開発していく。まずは台湾での提供に注力していく。

台湾では日本と比べて顧客対応での自動化は進んでいるが、自動化ソリューションを導入したものの、顧客対応の知見や技術を持つ人材不足により、顧客満足度やCX(顧客体験)向上につながらないという企業も多い。そのため、当社の持つ1000社を超えるクライアント企業の顧客接点の運用メソッドを活かし、顧客に合った最適な自動化を設計するための初期設定や導入後の定期的な情報メンテナンス、自動化と有人対応の配分など「SmartRobot」の導入支援を当社で担う。

また、「SmartRobot」による回答の振り分けをもとに、有人でのメッセージ送信や、電話での対応など、自動応答だけでなく状況に応じた最適な顧客対応も行う。断片的ではない、シームレスな自動対応と有人対応を一気通貫のパッケージプランとして提供する。


▲サービス図

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