2024.03.28

「RAGTAG」、スタッフコンテンツの強化で転換率1.5倍超 「EC+取り寄せ」売上は50%超に

ティンパンアレイ 商品グループゼネラルマネージャー ECグループゼネラルマネージャー 桜庭邦洋氏(左)、 デジタルマーケティングチーム マネージャー 泉波奈氏(右)


デザイナーズブランドのユーズド・セレクトショップ「RAGTAG(ラグタグ)」を展開するティンパンアレイは、「ファッションを楽しんでもらう」ため、ECサイトのコンテンツを拡充している。ブログから始まり、スタッフによる着こなし画像やブランド解説動画などリッチコンテンツを配信。拡充したコンテンツを閲覧したユーザーは、非閲覧ユーザーと比べて、滞在時間は3〜4倍、転換率は1.5倍〜2倍高いという。ECサイトが盛り上がることで、店頭取り寄せサービスの利用も活発化している。EC化率は30〜40%だが、取り寄せサービスを活用して実店舗で購入した売り上げも合わせると、その比率は過半数を超える規模だ。リユースアイテムを扱いながらコンテンツ拡充でECを強化する施策と、「取り寄せ」を中心にOMOで顧客との関係強化を図る同社の取り組みについて、ティンパンアレイの商品グループゼネラルマネージャー ECグループゼネラルマネージャー 桜庭邦洋氏、 デジタルマーケティングチーム マネージャー 泉波奈氏に聞いた。



倉庫に商品を集約、ささげや品質管理を一元化


――「RAGTAG」はどんなお店ですか?

桜庭:「RAGTAG」はファッション中心のリユースショップです。国内外の洋服のブランドを幅広く取り扱っていますが、その中でもハイブランドの取り扱いが中心となっています。実店舗は現在、東京を中心に関西や横浜、名古屋、福岡などに展開しており、ポップアップも含めると20店舗あります。

――ECサイトも運営していますが、いつ頃からですか?

桜庭:ECは比較的、歴史が古く、1999年から展開しています。「楽天市場」や「ヤフーショッピング」が出始めたくらいにはECサイトの運営を開始していました。創業者に先見の明があったと思います。

1点もののリユースアイテムだからこそ、店舗に置いてある商品しか見られない形ではなく、店舗に並んでいる商品は家に帰ってからもECで買うことができ、ECでは他の店舗の商品も全て見ることができるようにしたいというこだわりがあります。

――1点ものの商品をECで取り扱う難しさはありませんか?

桜庭:当初はやはり「ささげ(撮影・採寸・原稿作成)」が大変でした。最初は1日10~20点ぐらいしか対応できない状況から、徐々にオペレーションを組み替えていき、現在は1日2000点くらいを登録できる体制が構築できています。

EC部門は立ち上げ当初、5〜6人しかいませんでしたが、「ささげ」の体制強化とともに10人、20人と増え、現在は100人ぐらいの体制で運営しています。


▲商品グループゼネラルマネージャー ECグループゼネラルマネージャー 桜庭邦洋氏

――店頭で買い取った店舗とECで販売するまでの流れは?

桜庭:当社はハイブランドの取り扱いが多いということもあり、店頭やオンラインで買い取った商品を一度、倉庫に集約し、そこで検品し、品質を管理しています。偽物を販売しないように、店頭と倉庫で二重にチェックする体制を取っています。そこから商品情報を登録し、店舗ごとに商品を選定して、納品していくという流れになっています。

倉庫で商品情報を登録することで、店頭とECで同時併売できます。店頭のPOSとも連携しているので、店舗で売れたらすぐECから商品情報を取り下げることができます。その逆も同様で、ECで売れたら店頭にすぐ通知が行き、取り下げるという仕組みができています。

――実店舗には、どのように商品を分けているのですか?

桜庭:実店舗の販売傾向に合わせて、展開するブランドやアイテムの比率などを決めており、それに合わせて納品していく流れになります。

当社のお客さまは、特定のブランドが好きだったり、このブランドを探しているという方が多いので、そういうお客さまの期待を裏切らないように、店舗ごとのテイストにあった品ぞろえやブランドの在庫確保には注力しています。


ブログからコンテンツ拡充スタート


――ECサイトの販売を強化する上で強化していった点は?

桜庭:当初は商品点数を増やせば、売り上げが伸びるという状況でしたが、ある程度の規模になったところで、「当社のサイトで買う意味」をもっと伸ばしていかないといけないよねと考えるようになりました。

ECサイトをただ服が買える場ではなく、ブランドをより好きになったり、買い物を楽しんでもらったりできる場にしたいと考えました。そこからお客さまに楽しんでもらえるためのコンテンツを強化していきました。

――どういったコンテンツから強化していきましたか?

桜庭:2015年にスマホアプリを開設する際に、ただ、ECで買える商品を閲覧できるだけではおもしろくないと思い、ブログでの情報配信を開始しました。ブログでは、店舗スタッフが新着商品やお薦め商品を積極的に紹介してくれました。


▲ブログでは店舗スタッフが新着商品やお薦め商品を紹介

その後、お客さまにアンケートを取り、「着用画像が見たい」「もっとブランドの詳しい情報が欲しい」という声を多くいただきました。リユースの1点ものということもあり、着用画像を載せるべきか、正直とても迷いました。そんな時に、スタッフコンテンツや動画を手軽に導入できるツールとして「visumo」に出会いました。

:2020年10月に、インスタグラム(インスタ)の投稿画像をECサイトに転載できる「visumo social」を導入しました。その後、ECサイトのコンテンツをさらに強化するため、動画を投稿できる「visumo video」と店舗スタッフが着用画像を投稿できる「visumo snap」、商品の写真やコメントを投稿できる「visumo comment」を導入しました。さらに、2023年12月からは、「visumo video」の機能を活用して、商品詳細ページで動画を自動再生しています。

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