2023.12.12

ブックオフコーポレーション、ネットとリアルの連携強化で売上1300億円へ ECでは配送システムに注力

倉庫内の様子

中古品の買い取り販売などを行うブックオフグループホールディングス(HD)は、国内のブックオフ事業において「ひとつのBOOKOFF」構想を掲げている。店舗、ECともに注力し、2028年5月期までに売上高1300億円の達成を目指す。

事業会社のブックオフコーポレーションは、自社ECサイト「ブックオフ公式オンラインストア」において、中古品の買い取りと、迅速に顧客のもとへ配送する仕組みの構築に注力している。

「当社の商材は中古品。一般的な商材と異なり、特に仕入れに気を付けないと売り物がないということもあり得る。人気商品を需要が高いときにどれだけ用意できるかが鍵を握る」(ネットサービス部長・西尾圭示氏)と話す。

中古品を確実に仕入れるため、同社の宅配買取サービスでは、3~4月の新生活シーズンに、通常よりも高い価格で商品を買い取るキャンペーンなどを実施している。

「堅実なやり方だが、やはりモノを処分する時期に高い還元率のキャンペーンを実施して、商品を集めることに注力している」(同)と話す。

商品の発送は、神奈川にあるEC専用の物流倉庫と、全国の店舗から行う。神奈川の倉庫はロボットではなく、約300人の人力と仕組みを最大限活用し、短時間で商品を発送できるよう取り組んでいる。

「倉庫には最大で1日7万点の商品が寄せられ、在庫数は300万点を超える。そのため、スピードが命となる。商品のピッキングは全て一方通行で戻ることのないような仕組みを構築している。広い倉庫内を端から端まで行き来するとタイムロスが発生するため、リレーでバトンを渡していくように、分業化を進めて効率化を図っている」(同)と話す。

全国の店舗で買い取った商品を、近隣エリアの顧客が購入した場合は、その店舗から発送することで、リードタイムの短縮につなげている。

「山形の顧客が商品を注文して、商品が神奈川の倉庫と山形の店舗にあった場合、同じ地域から発送した方が圧倒的に配送時間は短い。ECの倉庫を起点としながらも全国の店舗のネットワークを有効活用して、多くの人に良い顧客体験を提供していくことを大事にしている」(同)と話す。




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