再春館製薬所は、2000年から自社ECサイトを運営している。同社の2023年3月期の通信販売事業の売上高は235億円。同社ならではの「人の力」を活用し、EC事業の強化を図っているという。
同社が展開する「ドモホルンリンクル」ブランドについて、ドモホルンリンクル事業部の中島公平副事業部長は、「漢方の製薬会社だからこそ、漢方の視点から選んだ原料と、最先端のサイエンスを掛け合わせ、『肌に秘められた力を引き出す』ように設計した基礎化粧品だ」と話す。
熊本・阿蘇山のふもとにある同社の拠点では、商品の製造から販売までを一貫して行っているという。「そのため、流通期間の大幅な短縮により、『大量生産ではない、可能な限り新鮮な製品』を提供することができている」としている。
「ドモホルンリンクル」のリピーターは多く、継続率(3回以上の購入者のリピート率)は94%。そのうち、2人に1人は10年以上の愛用者だという。
愛用者の多さの要因について、①商品力 ②製販一体のコストパフォーマンスの高さ ③「お客様プリーザー」によるカスタマーサポート体制――を挙げている。
「『お客様プリーザー』は、お客さまにとっての理想の肌を目指す専任の”肌のコンシェルジュ”。電話やメールを通してお客さまと直接やり取りを行う」(中島氏)と言う。
電話でのコミュニケーションを通して提供していた、「人の力」を生かしたサービスを、オンラインでも提供できるよう、デジタルシフトへの対応をさらに強化しているそうだ。
「EC経由の接点が最も多い。新規顧客の約9割がオンライン経由だ」(同)と話す。
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同社は、「自社サイト(「ドモホルンリンクル」「ラシク」)」の他、「アマゾン」「ヤフーショッピング」「giftee」「LINEギフト」など、複数のチャネルで販売を展開している。
同社の全体のEC事業の売り上げのうち、自社ECが占める割合は98%だという。
中島氏は、自社ECの利用率の高さについて、「自社ECだからこそ、お客さまと直接つながる中で、手厚いサポートを提供できている点は大きい」と話す。購入の前後で、細やかなサポートを提供しているそうだ。
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