2023.11.22

小学館、アニメグッズ越境ECのTokyo Otaku Modeを完全子会社化 小学館コンテンツの海外展開を強化

小学館は11月21日、アニメグッズなどの越境EC事業を展開するTokyo Otaku Mode(TOM)の発行済全株式を取得したと発表した。TOMの取締役会長に小学館の相賀信宏社長が就任する。TOMを通して小学館が保有するコンテンツの海外展開をさらに強化する方針だ。

TOMは2011年3月に⽇本のアニメ・マンガ・ゲームなどの「オタク文化」を全世界に送り届けることを目的に同名のFacebookページを立ち上げ、2012年4月にアメリカ・デラウェア州に会社を設立した。TOMのFacebookページは日本のアニメや漫画の最新情報が英語で配信されているため、設立から数年でファンを急激に増やし、現在は全世界に2000万人ほどのフォロワーを抱えている。

さらに、⽇本のアニメグッズなどを海外に届けるECサービス、オリジナルグッズ開発などを通じ、日本のコンテンツ産業の海外での市場拡大と発展を支援してきた。ECサイト会員数やオリジナル商品を含む取扱商品数を着実に拡大し、海外において日本のポップカルチャーの魅力を発信している。

小学館は、総合出版社として、雑誌・書籍・コミックの出版、漫画アプリ・Webメディアといったデジタルコンテンツの制作や運営、事業イベントや映像のプロデュースなど幅広く事業を展開している。2022年に創立100周年を迎え、保有する知的財産を活用し、海外事業をさらに発展するべく、さまざまな取り組みを進めているという。

小学館はTOM設立当初から、海外への発信力やネットワーク、海外向け通販事業のノウハウを高く評価していた。2017年、日本のアニメ文化を世界に広げるため、ブロックチェーン技術の活用を目指し発足した一般社団法人オタクコイン協会では、TOMの小高奈皇光社長と小学館の相賀信宏社長が共に理事に就任し、協力関係を深めていた。

小学館グループとTOMは事業提携を含むさまざまな可能性について議論を重ねてきた。そして今回、小学館は自社のコンテンツのみならず、あらゆる日本のコンテンツ産業の海外事業をさらに発展させていくことができると判断し、TOMの発行済全株式を取得するに至った。

TOM取締役会長には小学館の相賀信宏社長が就くほか、小学館から山田卓司氏がTOMの取締役に、篠原欣介氏が監査役に就任する。両社は密接に協力し、全世界のファンに日本のコンテンツやサービスを届けられるよう事業を推進する方針だという。






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