家電ECサイト「ecカレント」を運営するストリームの20年2―4月期(第1四半期)におけるEC売上高は、前年同期比14.7%増の61億1100万円だった。営業利益は同64.6%増の1億3500万円だった。PCの売上高が同81.3%増を記録するなど、巣ごもり需要に応える商品が増収増益につながった。
外部モールを含むEC事業全体の受注件数は、同15.5%増の36万5000件だった。カテゴリー別では、「家電」の売上高が同35%増の33億6300万円、「PC」が同81.3%増の8億9400万円と大幅な伸びを見せた。
「(新型コロナウイルス感染拡大による)リモートワークや巣ごもり需要の増加により、PCなどのIT商品や、調理家電の売り上げが大きく伸びた」(広報)としている。
「周辺機器・デジタルカメラ」カテゴリーの売上高は外出自粛の影響もあり、同27.1%減の14億6800万円と後退した。
連結子会社のエックスワンが手掛けるビューティー&ヘルスケア事業などを含んだ連結売上高は、同10.1%増の65億3200万円だった。営業利益は同87.9%減の500万円、経常利益は前年同期の4800万円に対して100万円の損失となった。
【記者の目】コロナ禍の消費変化、明確に ストリームの20年2―4月期(第1四半期)決算は、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けた2月から4月にかけての期間だったこともあり、コロナ禍での消費動向の変化を明確に表す結果となった。
テレワーク需要の増加を反映したPC売り上げの急伸と、外出自粛を受けてのデジタルカメラの減収は、昨今の社会情勢を考慮すれば当然の推移とも言える。
ストリームは、サイト内で特設ページを設置するなど、巣ごもり需要に訴求する施策を早い段階から実施してした。社会的背景に加え、こうした機敏な対応もEC事業が増収増益となった要因だろう。
家電やデジタル機器に限らず、コロナ禍で消費者の需要は大きく変化し続けている。今回の決算発表はその典型的な事例と言えそうだ。
「ecカレント」