2023.10.06

大日本印刷、ACROVEと資本業務提携 D2Cの成長を支援するサービスを拡充

大日本印刷は9月29日、電子商取引(EC)サイトを実施するブランドの育成と売上拡大等の販売支援を行うACROVE(アクローブ)と、資本業務提携を行った。互いが持つ技術やノウハウ、サービスや機能を組み合わせ、D2C事業者向けのEC売上最大化を支援するサービスの強化や、新サービスの開発を推進する拡大を目指す。

国内の生活者向けEC市場が2022年に約22.7兆円(前年比9.91%増)に拡大する一方で、国内の物販系分野の関係のEC化率は約9.13%と諸外国・地域と比べて低く、今後もEC市場の拡大やメーカー等の参入が期待されている。特に近年、メーカー等がECサイトを開設して、商品の販売動向等を分析し、生活者のフィードバックを得て商品の改善・開発に取り組むD2C事業が増加している。

大日本印刷はこうしたなか、「ECサイト・通販業務支援システム CommerceLine SP」や「D2C支援サービス」、ECサイトでの注文受付から配送までのフルフィルメント業務のBPOなど、大規模なECサイトの運営・保守の支援、各種EC対応サービスの提供などを行っている。このほど、ACROVEとの資本業務提携を実施した。

ACROVEは、ECモール上の商品情報・モールの市場動向等のビッグデータ分析を元に、再現性の高い売上最大化を支援するECプラットフォーム事業を推進している。ブランド・事業価値向上を目的としたM&Aを実施する「ECロールアップ事業」を展開するなど、ECサイトの立ち上げから運営まで一貫してサービスを提供し、豊富な知見を有していることに強みがある。

両社は今回の資本業務提携により、これらの強みをかけ合わせて、EC事業の立ち上げや成長の支援、フルフィルメント業務の運営代行など、各企業のEC事業の成長に応じた適切な支援を行うとし、主な取り組みのポイントとして、「D2C事業」向けEC支援サービスの強化と新サービスの開発、自社EC運営事業における協業、さまざまな企業のEC事業の成長段階に合わせた支援体制の構築を挙げた。

「D2C事業」向けEC支援サービスの強化と新サービスの開発において、大日本印刷は、DM・カタログ・電話・メール等を用いて生活者とのコミュニケーションを行うインサイドセールスやフルフィルメント等のBPO、およびリアルな店頭やイベント等と連動したプロモーション施策に強みがある。また、ACROVEは、日々のEC運用を通して蓄積された、ビッグデータを元にした支援や、EC販売を中心としたブランドの育成、売上最大化を支援するコンサルティング、ECサイト上での転売対策などに強みを持つ。両社は今回の協業により強みをかけ合わせ、それぞれのサービスを互いに販売する体制を整え、D2C事業に取り組む企業等へのEC支援サービスを強化するとしている。さらに企業等のニーズに合わせた新しいサービスも開発していく。

自社EC運営事業においては、ACROVEはブランドを育成し、価値向上を目的にECブランドの買収・統合から事業継承型M&Aまで実現するECロールアップ事業の実績とノウハウを有しており、大日本印刷も複数の自社ECサイトの運営を行っている。効果的なEC運営のノウハウ・知見を活かして、ECブランドのロールアップ事業などにともに取り組む考えを示した。

企業のEC事業の成長段階に合わせた支援体制いおいては、両社が連携を深めることで、企業等がEC事業の成長段階に応じて抱える多様な課題に対して柔軟に解決していく体制を構築する。さらに大日本印刷は、EC事業に関連する豊富な知見を有するACROVEとの連携により、専門人材の育成やサービス提供体制の強化も図るとしている。

大日本印刷は今後、モール型ECの運営・強化を目指す顧客に対して、ACROVEとの連携によるサイトの立ち上げや運用のアウトソーシングの支援を開始する。これらのEC支援サービスや関連サービスも含めて、2025年度までに累計12億円の売上を目指す。




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