2023.10.06

在庫・販売管理クラウドのSpes、アイレップなどから資本調達 外部システム連携を強化

企業の受発注、入出庫、在庫管理を解決するオールインワン型クラウドソフト「Spes(スペース)」を無償提供するSpesは10月2日、博報堂DYグループであるアイレップとの資本業務提携を始めとし、複数の事業会社、および個人投資家よりPostシードラウンドとして資金調達を実施した。調達した資金は主に、「Spes」と外部ソフトウェアとの連携機能開発に活用する。

Spesは、在庫管理はもちろん、受発注から入出庫まで一貫して管理ができるオールインワン一体型のクラウドソフトであり、海外取引(輸出入)にまで対応した多機能性が特徴の「Spes」を提供。在庫管理のDXを推進したいもののコストをかけられない中小企業に向けて無償提供している。



ソフトウェアの利用料は永久無償だが、「Spes」を在庫・販売管理のプラットフォームとして導入拡大後、データ入力代行や物流代行などの任意利用のオプションサービスを提供し、マネタイズしている。

このほど、博報堂DYグループであるアイレップとの資本業務提携を始めとし、複数の事業会社および個人投資家よりPostシードラウンドとして資金調達を実施した。

「Spes」は、現在270社を超えるユーザーに利用されており、中小企業の販売・在庫管理をDX化した先に、「Spes」ユーザー企業の売上成長に繋がる機能の提供を視野に入れているとし、互いに同様の未来像を描いていたアイレップとの業務提携により、サービス化に向けた協同研究を始めとして、さまざまな分野で補完関係を築くことを目指す。

企業の主要な売上成長施策である広告施策において、顧客のファーストパーティデータ(購買データ、在庫データなど)を活用したデータマーケティングが注目されており、例えばマーケティング施策のデータと購買データ、在庫データを組み合わせることで、消費者の購買行動と在庫状況を織り交ぜ、ターゲット層のニーズに合わせたタイミングや商品のプロモーションが可能となる。



具体的には、特定の商品が在庫過多の場合には、その商品を重点的にアピールするキャンペーンの展開、逆に在庫が少ない場合には購買を促進するメッセージの強調などが考えられ、これにより顧客の関心を引きつけ、購買意欲を高めることが期待される。また、広告配信後の販売数や出荷数などから、実際の広告効果の可視化も可能になるため、より精度の高い広告効果(ROAS)を実現していけるとしている。

このように、単純に広告施策だけでなく、購買(EC支援)や在庫管理、さらにその先の需要予測まで一貫してサポートするアイレップと、在庫管理に留まらずユーザー企業に売上成長機能を提供したいSpesは、互いに前述のような未来像を描いていたことから、今回の資本業務提携に至ったとしている。

本提携によって、「Spes」のユーザー企業に対し、アイレップによる質の高いデジタルマーケティングの提供が可能となり、D2Cメーカーに向けて、在庫管理のクラウドソフトの提供から物流機能までを組み合わせた幅広い提案を可能とした。

今回調達した資金は主に、「Spes」と外部ソフトウェアとの連携機能開発に活用する。アイレップとの協同研究開発と同時に、進行中のインボイス制度への対応など「Spes」のソフトウェアそのものの価値向上をはじめとして、外部ソフトウェアとのAPI連携機能の開発など、トランザクション収益を期待できるサービスの開発を加速していく考えを示した。


▲アイレップ 代表取締役社長 CEO 小坂洋人氏

今回の取り組みにあたり、アイレップ 代表取締役社長 CEO 小坂洋人氏は、「中小企業の在庫管理に伴うさまざまな悩みを解決したいという小林社長の切実な思いに共感したほか、Spes社と多方面で協業できるのではないかと思い、出資を決めました。今回の資本業務提携を通じて、同社のチャレンジを応援するとともに連携し、『Spes』ユーザーへのマーケティング支援やサービス開発に取り組み、新たな顧客体験を一緒に創造していきたいと思っております」とコメントした。





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