2023.06.11

あなたのビジネスはAIに対応できていますか?まずはデータ管理プラクティスのチェックを【Cohesity JAPAN 笹岳二氏】 

データを適切な環境で管理することによって、AI時代のポールポジションを獲得できる

いまや、人工知能(AI)は、未来の可能性に対する社会的認識を変革しています。テクノロジーの展望やビジネス環境にも影響を与えています。マッキンゼーやPwCのレポートによると、AIは2030年までに、世界経済に13兆~15兆ドルのプラスの影響を与える可能性があることが予測されています。

AIの導入と実装の成功は、組織のデータに依存しています。なぜなら、データはAIのアルゴリズム、ベクトル、およびコンテキストを動かす燃料だからです。つまり、AIモデルは、学習に使用したデータと同じだけ優れており、AIモデルの学習に使用するデータの質と量が、その有効性、効果、威力を大きく左右します。同様に、AIモデルに利用できるデータが偏っていたり、不完全や不正確であったりすると、そのモデルは不正確な、あるいは偏った結果を出す可能性があります。

新しいデータがなければ、AIモデルは学習し続けることができず、その精度を向上させることができません。AIの開発・導入には、常にデータの流れが欠かせません。したがって、高品質のデータの収集、管理、保存、保護、分析に投資する組織は、AIの力を活用し、さらには競争上の優位性を獲得するために、より有利な立場にあります。しかし、これは「言うは易く、行うは難し」です。現代の分散型アーキテクチャでは、組織のデータ資産全体を通して、ワークフローからデータを収集、管理、保存、保護、活用することは困難です。特に、データは通常、ハイブリッドまたはマルチクラウド環境、サードパーティのSaaSアプリケーション、およびエッジに保存されるからです。

組織はしばしば、分類もインデックス化もトラッキングもされていないペタバイト級のデータを保存していることになります。このようなデータは構造化されておらず、アクセスが困難であるだけでなく、有効なデータの保護とセキュリティーが確保できないため、組織の攻撃対象が拡大してしまいます。データ管理コストも増大します。データからより良いインサイトを得たり、AIモデルへの燃料供給になるような情報に基づいた意思決定を行う機会を、奪っているのです。


AIへの対応は、データがインデックス化され、検索可能であることに依存


高度なサイバーセキュリティーの脅威と統合されたIT環境に代表されるデジタル世界では、組織は、すべてのストレージ環境にわたってデータをバックアップします。バックアップによって、インサイトと分析を提供し、災害復旧のための複製が可能になります。データの分離、脅威の検出、データの分類機能によって、サイバーレジリエンスを向上させるための分散ファイルシステムやアーキテクチャが必要になります。
 
組織とデータをAIに対応させるための、最も基本的なデータ管理機能の一つは、データのインデックス化と即時検索性です。組織は、構造化または非構造化したデータを制限なく保存してインデックス化し、IT部門やユーザーが必要とするときに、データ全体を即座に検索できるようにする必要があります。最新の優れたデータ管理およびデータセキュリティープラットフォームでは、数十年前のデータを即座に検索し、異なる期間の異なるデータバリエーションを確認することが可能です。レガシーなデータ管理テクノロジーの使用によって、ファイルやオブジェクトのメタデータにインデックスを付けずにデータを保存している組織は、AI導入の機能を低下させています。


組織をAI成功に導く5つのデータ管理機能


組織は、以下のデータ管理機能を採用・実装することで、AIを最大限に活用するための準備を整えることができます。


① データの集約と統合

データは、オンプレミスやクラウド、複数のクラウド、エッジなど、さまざまなソースやデータタイプから集約できる必要があります。組織は、AIアプリケーションのためのデータ分析や安全なアクセス権の付与を容易にする、一つの統合プラットフォームを通じて、すべてのデータにアクセスできるようにする必要があります。データの統合ビューを持つことの利点は、組織がサイロ化されたデータでは見えないパターンやトレンド、異常を、よりよく特定できることです。これにより、ダークデータを排除し、データへの悪意のある変更の可能性を事前に警告することが可能になります。バックアップデータをインデックス化して集約することのもう一つの利点は、メインシステムのストレージ容量やコンピュート能力を大幅に追加することなく、バックアップに高いパフォーマンスでAIを適用できることです。メインデータが、AIアプリケーションに直接さらされるのを避けることもできます。


② データの最適化

データ環境をAIに対応させるためには、データの重複排除とコンパクトな構造でのデータ保存が不可欠です。データがコンパクトに保存され、関連するメタデータで強化されていれば、検索性が向上するだけでなく、組織はAIアプリケーションをより活用し、トレンドやパターンを特定することができます。より情報に基づいた意思決定を行うことができるようになるのです


③ データ保護

組織は、データを保護し、エアギャップまたは仮想エアギャップ環境でデータを隔離できるエンタープライズグレードのバックアップ、リカバリ、災害復旧ソリューションを必要としています。AIアプリケーションやソリューションが膨大なデータに依存していることを考えると、システム停止やダウンタイムを避けるために、何千もの仮想マシン、データベース、ファイルを即座に復旧できることは組織にとって極めて重要です。Cohesityを利用することで、顧客はCohesityのインスタントマスリストア機能を活用し、シンプルなプロセスで、どの時点からでも大規模に、データを迅速にリストアすることができます。


④ データセキュリティー

組織は、8秒に1回の割合で、ランサムウェアの攻撃を受けています。サイバー攻撃は、「もし」起きたらではなく「いつ」起きるかの問題になっているのです。データへの脅威を検知する能力は極めて重要です。その最良の方法の1つが、データの異常な変化を検出し 、脅威インテリジェンスフィードを使用することです。脅威の多くは、マルウェアによるものです。また、機密データの保管場所を効率的に分類し、そのデータをサイバー保管することで、組織はサイバー攻撃の影響範囲を最小化することができます。組織は、Cohesity Data Cloudプラットフォームのような。最新のデータセキュリティーと、データ管理プラットフォームを使用することで、これらの能力を獲得し、悪意のあるサイバーイベントや災害が発生した場合でも、AIアプリケーションを確実に実行し続けることができます。


⑤ データアクセス

バックアップデータに対するきめ細かい役割ベースのアクセス制御(RBAC)は、個人を特定できる情報(PII)や医療記録、知的財産、金融取引の記録など、アクセス権限のないユーザーが機密データにアクセスすることを防ぎます。RBACの機能をAIに適用することで、AIモデルは、ユーザーにあらかじめ割り当てられた権限に沿ったデータ照会と応答のみを行うことを可能にします。


適切なデータ管理とデータセキュリティーのプラットフォームは、組織がデータの潜在能力を最大限に引き出し、AIモデルとソリューションの力を最大限に高めることを可能にします。データとデータ環境をクリーンで正確、かつ利用可能にしている組織は、AIの準備が整っており、AIモデルをより迅速、正確、かつ効率的に導入可能なポールポジションを獲得しています。









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