2023.04.07

メルカリ、中国向け越境EC4社と提携 越境EC事業者向けの連携ガイドも公開

メルカリはこのほど、中国市場における越境販売の経路拡大に向け、越境EC事業者のInagora、銘東、楽一番、トリプルアートの4社と提携した。これにより、中国の顧客は、提携企業が運営するECサイトを通じて、「メルカリ」上の商品を購入できる。これに伴い、「メルカリ」での越境販売を希望する越境EC事業者に向けた公式連携ガイドを公開した。越境EC時事業者との公式連携化の加速を図る。

フリマアプリ「メルカリ」を運営するメルカリは、越境EC事業者のInagora、銘東、楽一番、トリプルアートの4社と提携した。

Inagoraは、「ショッピングに国境はない」をスローガンに日本の優れた商品をインターネットを通じて中国を始めとした海外のお客様に提供する越境ECアプリ「豌豆(ワンドウ)」を運営。越境EC事業のノウハウを生かし、2022年11月に代理購入サービス「日淘市集(リータオシージー)」を開始し、日本のECサイトと中国の顧客を繋ぐサービスを提供している。

荷物転送サービス事業等を展開する銘東は、越境ECビジネスにおいて、国内外の顧客へ物流ソリューションを提供。唯一、日本郵便局構内に流通センターを構える民間企業であり、海外の顧客が通販にて日本製品を購入した際の転送サービス等を手がけている。

楽一番は“国境を感じないEC体験”を提供する海外配送サービス「楽一番」を運営する。関西および関東に複数のロジスティクスセンターを完備し、中華圏、東南アジア、欧米諸国の顧客向けに圧倒的安さと速さでの配送を実現。、40万人超の海外顧客へ累計500万件超の発送サービスを提供している。

トリプルアートは、2次元越境ECプラットフォーム「Masadora」を運営。日本で販売されるアニメ・漫画・ゲームなどの関連商品を多数取り扱うほか、独自の倉庫と物流サービスでユーザーに安心でハイスピードな越境ショッピング体験を提供する。

今回の業務提携により、中国の顧客でも、提携企業が運営する「日淘市集」(Inagora社)「JPGOODBUY」(銘東社)、「楽一番」(楽一番社)、「Masadora」(トリプルアート社)などのECサイトを通じて、「メルカリ」上の商品を購入することが可能となる。一方で、「メルカリ」の出品者は、これまで通りの配送方法と配送料での取引が可能だ。

経済産業省の調査によると、2019年の世界の越境EC市場規模は7800億USドルと推計され、2026年には4兆8200億USドル(年平均成長率約30%)にまで伸長するなど、市場の大幅な拡大が予測されている。

メルカリは、中期的な経営戦略としてさらなるグローバル展開に力を入れており、2019年から越境販売を開始。国内だけでなく、海外の顧客を含めた循環型社会の実現を推進している。2023年2月に新たに越境EC事業者拡大後、利用者数は約2.8倍、取引数は3.2倍になるなど、越境EC領域は堅調に推移した。また、開始時から2022年までの越境販売にかかるGMVは着実に成長しており、今回の提携効果により、2023年以降はさらなる成長を見込んでいるとした。

2022年12月に発表した「越境メルカリ トレンドランキング2022」では、海外からの“推し活”需要を受け、エンタメ・ホビー関連商品の取引が活発な結果がわかった。中国市場においても、エンタメ・ホビー関連商品の人気は高く、もっとも多かったのは「おもちゃ」、次いで「トレーディングカード」「フィギュア」の順となり、日本ならではのコンテンツにまつわるものや、海外で購入することが難しいアイテムが人気なことがわかった。

こうした状況を受け、今回の提携に至ったとし、今後もグローバルなマーケットプレイスを展開し、世界的な循環型社会の実現に邁進する考えを示した。

さらにメルカリは、越境EC事業者との公式連携をもとに越境販売の経路を拡大し、今後さらにさまざまな顧客へ「メルカリ」での購入体験を提供することを目的に、自社基準の審査を通過した事業者に対し、必要なAPIおよび公式「メルカリ」アカウントを提供している。このほど、越境ECの公式連携の申し込みについてまとめた、越境EC事業者向け公式連携ガイドを公開した。これにより越境EC事業者との公式連携化の加速を期待するとしている。




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