2023.03.10

「eBay」、日本セラーの越境ECトレンド2022を公開 「ブランドバッグ」「時計」が取引額・成長率とも上位

日本セラー(売り手)の越境ECを支援するイーベイ・ジャパンは3月9日、オンライン・マーケットプレイス「eBay(イーベイ)」における2022年第4四半期、および年間の日本セラーの越境ECトレンドを公開した。第4四半期の売れ筋・注目商品は、ポケモンカード、ニンテンドー3DS、HONDAなど、日本を代表するブランド、コンテンツが各カテゴリー上位にランクインした。年間では、取引額・成長率ともに、ブランドバッグ、時計が上位を占めた。安定した人気に加え、円安の影響を受けた海外の高額品需要が後押しした。

「eBay」は、190以上の国と地域で運営するマーケットプレイス上でセラー(売り手)とバイヤー(買い手)をつなぐ、世界最大級のマーケットプレイス。イーベイ・ジャパンは、「eBay」への出店を通じ、日本セラーの越境ECを支援している。このほど、2022年度第4四半期(10月~12月)の期間、および2022年の1年間に日本セラーから出品されたアイテムの販売動向を発表した。


【2022年第4四半期(10-12月)カテゴリー別売れ筋・注目商品ランキング】

2022年第4四半期に日本から売れ筋となった、または注目された商品をイーベイ・ジャパンの各カテゴリー担当者がピックアップし、ランキング化した「カテゴリー別売れ筋・注目商品ランキング」では、「トレーディングカード」カテゴリーにおいて、12月に発売された「ポケモンカードゲーム ソード&シールド ハイクラスパックVSTARユニバース」が1位を獲得した。「ポケモンカード」が引き続き好調で、「ONE PIECE」や「ヴァイスシュヴァルツ」も新発売ボックスだけでなく、数十万を超えるシングルカードも多く取引された。

「ビデオゲーム(本体)」カテゴリーの1位には、「ニンテンドー3DS」シリーズがランクインした。本カテゴリーは、円安の影響による好調を維持し、今までの主流商材であったすでに廃盤となっている希少性の高いポータブルゲーム機だけではなく、最近のゲーム機や100万円を超えるゲーム機など幅広い商材が販売された。



「アニメグッズ」カテゴリーでは、2022年に全世界で映画がヒットした「ドラゴンボール」シリーズの商品が売れ筋となった。本カテゴリーは、「ドラゴンボール」の映画放映、「チェンソーマン」の放映開始の影響もあり関連グッズが大きく盛り上がった。その他「鬼滅の刃」「僕のヒーローアカデミア」「呪術廻戦」など、日本を代表するアニメのフィギュアや関連グッズが幅広く取引され売上が伸長した。

イーベイ・ジャパンのコレクティブルズカテゴリー担当者(カテゴリーマネージメント部 カテゴリーマネージャー 市田良介氏)は、「2022年第4四半期の前半は世界的なインフレによる節約傾向もありやや鈍化傾向でしたが、11月後半から12月にかけて年末商戦に向けた出品点数強化やアニメグッズ・トレカ新商品発売の影響で全体的に大きく伸長しました。12月は特に日本を代表するアニメ商材が大きく盛り上がりを見せました。ホビー、トレカ、ゲームジャンルは『eBay』で展開した様々な施策・キャンペーンの影響により着実に伸び続け、12月には2022年で1番多いアクティブセラー数を記録。また、第4四半期中にはFIFAワールドカップが開催されたことで、日本からも海外で活躍する有名サッカー選手の希少性の高いトレカが盛り上がりを見せました」とコメントした。

「自動車パーツ」カテゴリーでは、国産スポーツカー人気の影響を受け「Hondaインテグラ TYPE R DC5後期型テールランプ」が売れ筋となっており、「カメラ」カテゴリーでは海外の熱狂的なファンから支持されるライカの数量限定商品などが注目された。



イーベイ・ジャパンの自動車パーツ・カメラカテゴリー担当者(カテゴリーマネージメント部 カテゴリーマネージャー 古谷まゆみ氏)は、「自動車パーツ」カテゴリーについて、「国産スポーツカーの純正部品の人気が引き続き衰えず、2022年第4四半期では前年同期比+37.7%で伸び率1位、2022年の年間売上総額の前年比は+22.8%と加速的な伸びを見せています。中でも新品・中古問わず需要が高いパーツはヘッドライト、フォグランプ、テールライト等の電装部品です。『Hondaインテグラ タイプR』シリーズのテールランプは、国内ECサイトの2~3倍の価格で取引がされている一例です。また、TOYO TIRESのオープンカントリーは、大型SUV車両が抜きんでて普及している北米市場で絶大な人気を博しているタイヤで、今年40周年を迎える本シリーズは今後もグローバルでの人気を落とさず、『eBay』上も活発に取引が行われることが予想されます」と述べた。

「カメラ」カテゴリーについては、「年間を通して円安の影響と比較的参入障壁が低い商材ということもあり、2022年も高い取引高を維持していました。中でもデジタルカメラは第4四半期の前年同期比+48.6%、2022年の年間売上総額の前年比は+51.4%とかつてない程の大きな伸びを見せています。デジタルカメラのカテゴリーで目を引いた商品は、ライカの前身であるエルンスト・ライツ社の創業が150年を迎えたことを記念して発売された特別限定モデルの「ライカM10モノクローム Leitz Wetzlar」のボディです。2020年に世界650台限定で発売されたという希少性により、中古であっても高い販売価格を維持していました」とコメントした。

ファッションカテゴリーでは高額商品が引き続き人気で、時計やジュエリーを含めた「ファッション全般」カテゴリーにおいて「ロレックス デイトジャスト」が、ハンドバッグでは「ルイ・ヴィトン キーポル・バンドリエール50 プリズム ボストンバッグ」が注目された。



イーベイ・ジャパンのァッションカテゴリー 担当者コメント(カテゴリーマネージメント部 部長 北村直樹氏)は、「2022年第4四半期は10月頃の歴史的な円安が後押しし、ハンドバッグ、高級時計、高級ジュエリーなど高額商品が多いカテゴリーが大きく売上を伸ばしました」とコメントした。

「時計」カテゴリーについては、ロレックス、オメガ等の定番はもちろんのこと、「ウブロ、パテック・フィリップ、オーデマ・ピゲ、バセロン・コンスタンチン、ブレゲなど雲上ブランドと呼ばれるハイエンド時計の売上が伸びました」と述べた。「ジュエリー」カテゴリーは、最近のファッションカテゴリーの中で最も伸び代が大きいカテゴリーとなっているとし、ブランドジュエリーだけではなく、ノーブランドの貴金属等の売上も好調に推移しているとした。「メンズファッション」カテゴリーもその規模を堅調に膨らませており、「中でも『スニーカー』カテゴリーは、2021年に比べ2022年は年間約40%の伸びを見ました」とコメントした。


【2022年年間(1~12月)カテゴリーランキング】

2022年の年間の「取引額TOP10」では、昨年に続き「レディースアパレル&バッグ・ブランド小物」カテゴリーが1位、「時計・パーツ&アクセサリー」カテゴリーが2位にランクインした。どちらも安定した人気のカテゴリーであることに加え、円安の影響で海外で高額品の購入欲が高まったことで、成長率でもこの2カテゴリーが上位2位を占めた。

3位の「アニメアート&キャラクターグッズ」カテゴリーは昨年の5位から順位を上げた。「ドラゴンボール」「ONE PIECE」「呪術回線」など日本を代表するアニメの映画が相次いで海外でも大ヒットしたことも影響し、フィギュアや関連グッズの売上が全体的に伸びた。

2022年の「取引額TOP10」のうち、前年比で大きく成長した「成長率TOP3」は、1位に「時計・パーツ&アクセサリー」カテゴリー(前年比+45%)、2位に「レディースアパレル&バッグ・ブランド小物」カテゴリー(前年比+24%)と、「取引額ランキング」と順位が入れ替わる結果となった。2022年は円安の影響でハンドバッグや高級時計、ジュエリーなどが大きく売上を伸ばした。これらのカテゴリーは高額品が「eBay」の真贋保証サービスの対象となっていることもあり、安全に取引ができることも影響していると考えられるとしている。



成長率3位は、「自動車パーツ」カテゴリーがランクインした。国産スポーツカーの海外人気の高まりで純正部品の需要が加速しており、特に第4四半期は+38%と成長率1位を記録。年間でも+23%と大きく躍進した。

これらの結果を受け、イーベイ・ジャパンのカテゴリーマネージメント部 北村直樹部長は今後について、「2023年の年初は、一旦は円高が進みましたが、円安傾向はまだまだ続くと思われます。日本の商品の競争力は第1四半期中は高いままであることが予想されます。また今年はタックスリターンの影響が通常通り出てくると思われ、高価格帯の商品の売上拡大が見込まれます。他にも2023年は、近年成熟してきた嗜好の多様化により、各カテゴリーで、熱狂的ファン(enthusiast)向け商材に対する需要が、更に拡大していくでしょう」とコメントした。




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