2023.02.27

ファッションメッセージ、卸・仕入れサイト「スーパーデリバリー」のアワードで総合1位獲得の要因は?

ファッションメッセージの寺田將輝課長(左)、松岡洋平部長(右)

アパレルの製造・販売を手掛けるファッションメッセージは、ラクーンコマースが手掛ける、卸・仕入れサイト「スーパーデリバリー」において、商品力やサービス力などで会員事業者から高い評価を受けた出展企業に贈られる「スーパーデリバリー・アワード2023(vol.1)」の総合1位を獲得した。

ファッションメッセージは2001年に創業。神奈川県鎌倉市に一般消費者向けの直営店をオープンした。その後も直営店を徐々に増やし、現在は鎌倉市内に3店舗、都内に7店舗を展開している。

創業当初は60~70代の女性(ハイミセス)を対象とした商品ラインアップだったが、近年は30~60代のレディースに対象を広げて販売している。

金社長が日本橋馬喰町で仕入れをしていた縁もあり、約10年前に卸問屋街の日本橋馬喰町に卸売りを目的とした店舗をオープンし、卸事業を始めた。卸売りが軌道に乗りはじめ、日本橋馬喰町に4店舗、大阪市内に1店舗を出店。現在は会社全体の売り上げの9割以上を卸売りが占めている。

「直営店舗があったからこそ卸先に対する気持ちを理解できていることが支持をいただいている」(松岡洋平部長)と話す。事務所のようなところが多い日本橋馬喰町で、店頭ではどのように販売、陳列すれば良いのかなどを想定して取引を行っており、他社との差別化につながっている。


コロナ禍を機に出店


ラクーンコマースが手掛ける「スーパーデリバリー」に出店したきっかけは、コロナ禍で緊急事態宣言が発出されたこと。コロナが流行り始めた2020年4月ごろに、日本橋馬喰町の店舗に買い付けに来る人は減り、1日2人だけの来店という日も続いたという。「売り上げがピタッと止まり、何とか手を打たないといけないと考えた。東京には行くことができないけど、電話で商品を送ってほしいという人もいた」(松岡部長)。こうした直接店舗に来なくても仕入れを希望したいという声を受け、ラクーンコマースの卸・仕入れサイト「スーパーデリバリー」に出店することを決めた。

以前から「スーパーデリバリー」の存在は知っていたものの、「ウェブで販売することに躊躇していた」(EC事業部・寺田將輝課長)。コロナ禍直後に、マスク不足が深刻化する中で、独自ルートで仕入れることができた。その際に、スーパーデリバリーで販売したところ大ヒットした。特に、レース生地のデザインマスクがウェブや店頭でも仕入れ希望が相次いだ。

導入前は、店舗に来て直接現金で仕入れる取引先が95%を占め、直接商品を見て購入したいという人が多かった。追加購入の場合は、その品番を伝えて電話やFAXなどで注文するケースもあったという。

「スーパーデリバリー」で仕入れる人の8割がこれまで接点がなかった新規顧客だった。特に、四国や中国、九州地方など西日本の客が増えた。地元で仕入れていた人も、都内のメーカーから仕入れたいというニーズを感じたようだ。

マスクの販売に手応えを感じ、徐々に店頭販売する商品もスーパーデリバリーに掲載していった。これにより既存顧客の利用も増えた。ウェブに掲載する写真なども見やすさを追求しているという。

同社の強みは、仕入れ価格、バリエーションとスピード感のある対応、週3回の新商品投入だ。「新商品を求めるニーズが高く、ウェブではすぐに売り切れてしまう」(松岡部長)と話す。最近では、新商品が販売開始直後に完売をしてしまうための対策として、今年から予約販売を開始した。スーパーデリバリーに出店したことで流通量は導入前の1.5倍に増えた。「家賃などの大きな出店コストをかけずに、スーパーデリバリーに出店して、売り場を1店舗増やすことで売り上げを1.5倍に増やすことができた」(寺田課長)と言う。松岡部長は「出店するデメリットは全くない。新商品を出していくことで小売店の利便性を高めていきたい」と話している。



【「スーパーデリバリー」 サービス概要】
ラクーンコマースが提供する「スーパーデリバリー」は、アパレル・雑貨を中心とするメーカーと小売店や飲食店・美容室などの事業者が利用する卸・仕入れサイト。初期費用がかからず出店でき、商品代金は全てスーパーデリバリーがメーカーに代わって回収する。メーカーは与信管理の手間が省け、代金未回収のリスクを回避できる。これまで接点がなかった事業者との取引が可能となり販路が拡大できる。サイト上には物販用の商品から備品、什器など幅広い商品が掲載されており、幅広い事業者のニーズに応えている。







RECOMMEND合わせて読みたい

RELATED関連する記事

RANKING人気記事