2023.02.03

【有識者に聞く!2023年の市場展望<越境EC>】フューチャー 小柳みゆ社長「インバウンド・リアル復活、高まる購買意欲にリーチ」


フューチャーでは、フューチャーグループで長年にわたって積み重ねてきた知見・ノウハウを生かし、日本企業の中国越境ECへの進出を一貫支援している。小柳社長に、「激動の中国EC市場復活の兆し」など、中国市場の最新事情について話を聞いた。


現在、中国ではコロナ関係の規制の緩和が急激に進んでいる。

2023年以降はさらに緩和が進み、徐々にではあるが、オンライン・オフラインともに経済的に大きく動き出していくのではないかと予測している。

何より、「インバウンド需要」の復活を見据え、今から準備を行うことが重要だ。日本国内のインバウンド対策やマーケティングをスタートできる。 

さらに、中国市場で堅実に売り上げを作るため、状況に応じて、「在日中国人コミュニティー」といった軸からのスモールスタートも提案している。

2022年11月には、中国最大のセールイベント「W11(独身の日)」が開催された。例年に比べると消費はやや控え気味になった。

中国の大手EC2社の発表から、2022年のW11の流通総額は、2021年並みか、微増だったと推測している。ちなみに、2021年に公開された、同2社のW11の流通総額は、8894億元(約15兆8313億円)。巨大市場であることには変わりはない。

実際、当社が運営する、大手ECモール「天猫国際(Tモールグローバル)」の店舗でも、W11は平常時より20%ほど購入が多くなった。

現在はコロナの規制緩和が急進しているので、これまで抑え込まれていた中国消費者の購買欲求が、今後中国EC市場を刺激していくだろうと考えている。

中国本土版ティックトックの「ドウイン」を筆頭に、動画プラットフォームは成長し続けている。

ライブコマースは、中国において特別な取り組みではなく、非常に身近で、販促には欠かせない存在だ。

中国のライブコマース市場は、今後も確実に伸び続けると思う。

中国EC販路でプロモーションをインフルエンサーに依頼する際、最も多い質問の一つが、「日本のどんな店舗で売っているか?」というものだ。例えば当社では、丸井などと提携し、日本のリアル販路で商品を展開している。

オンラインだけでなく、オフラインも活用し、複数の接点での展開を行うことが重要だ。

中国EC市場では、長期的な視点が必要となる。W11のような大型商戦で成果を上げる場合、販促やブランディングなど、日頃の積み重ねが欠かせない。

当社では、そうした日頃の積み重ねを中心に、中国市場での中長期的な「魚を採る方法」を、顧客企業には身につけていただけるよう支援を提供している。




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