アマゾン出品者のコンサルティングを手掛けるアグザルファの比良益章社長は、2023年のアマゾンについて、「地域のリアル店舗を活用した新たな配送や、データの提供などが進む」と予測している。
2023年のアマゾンについて、五つのポイントがあると考えている。
まず一つ目は、地域のリアル店舗や配送パートナーなどを活用した新たな配送網が構築されていく。他のECプラットフォームとの即日配送や即日受け取りの競争が、さらに過熱していくだろう。
すでに、一部エリアのスーパーで、アマゾンの独自配送網を利用した即日配送や、店舗での即日受け取りが可能となっている。2022年末には地域の中小企業にアマゾンの商品配送を委託する新たな発表もあった。
今後は、アマゾン以外の、リアル店舗や配送パートナーからの新たな配送も増えていくことだろう。
二つ目として、アマゾンは、出品者に対して、新たなデータや新機能を提供していく。出品者としては、データを分析したり、新機能を活用したりすることによって、顧客を囲い込み、リピーターを増やし、LTVを向上させていくことが重要になっていくだろう。
ロイヤルカスタマーに対して、ターゲティングメールが送れる新機能が今後利用できるようになることなども発表されている。アマゾンは、今後もさまざまなデータを公開するだろうし、そのデータを活用するための新機能を提供していくだろう。
三つ目として、アマゾンのファッション分野において、新たな購買体験が徐々に浸透していく。AIによる商品のレコメンドや、ARによるバーチャル試着などだ。
国内では、ZOZOが、ファッションのリアル店舗を出店してAIによるレコメンドを行うといった動きもある。日本のアマゾンも早い段階で、国内でのリアル店舗の展開などを行うのではないか。
四つ目として、アマゾンの各種手数料の値上げが予想される。EC需要が落ち着く中での各種コストの上昇に伴い、今後は出品者に対して、アマゾンによる各種手数料の値上げが避けられなくなりそうだ。
五つ目としては、アマゾンによる、企業・ブランドの買収や、他社との提携の動きからも目が離せない。相手の企業側としても、アマゾンと組むメリットは大きい。
アマゾンは今後も、企業やブランドとの協業で、さまざまな新しいサービスを展開していくことだろう。