2020.05.13

【インタビュー】家事代行の「タスカジ」和田幸子社長に食品EC開始の理由を聞く

タスカジ 和田幸子社長


食材のECサイトを開設


――3月に食材のECサイトを始めました。経緯を教えてください。

元々、家事代行のマッチングプラットフォームとしてサービスを初めましたが、もう少し、依頼者が抱える日々の困りごとにも対応していきたいと考えました。2017年12月に「掃除セット」の販売を始めていました。この商品は「タスカジさん」に掃除を依頼する際に、「掃除用具を持っていない」といった要望に応えようと考えました。

今回の食材のECも同様の発想です。佐賀の野菜・肉をセットにした産地直送のEC「タスカジつくりおき便」のサービスは、依頼者が「事前に何を買い物しておけばいいのか」というニーズに対応しました。また、1週間分を事前に用意しておく必要があり負担となっていました。今回のセットは「タスカジさん」が「作り置き」をするために必要なものは一通り揃えています。

――食材は佐賀県産ですが、理由を教えてください。

地域食材のセットを検討していたところ、佐賀県ふるさと納税NPO版で「シェアリングエコノミーを広げる」プロジェクトを実施されていた、内閣官房のシェアリングエコノミー伝道師である石崎方規氏が運営している「特定非営利活動(NPO)法人価値プラットフォーム」のことを知りました。依頼者がネットで注文するとこのNPO法人から発送され、この食材をもとに作り置きをします。

商品は、佐賀の産地直送の新鮮野菜とブランド牛が入った作り置き用のパックです。作り置きに特化した商品は他にはなく、差別化できる点だと思います。商品ボックスは毎週違った内容にしています。

当初は「タスカジ」の利用者だけを想定していましたが、多様な消費者のニーズに対応することを目的に定期便も始めました。広く一般の人にというよりも、作り置きに関心のある人に使ってもらい、その先に「タスカジ」も使ってもらうような接点につなげていきたいと思います。

――ローソンと組んでミールキットも開発しています。

今年3月には、ローソンと組んでミールキットを開発し、店頭受け取りお買い物サービス「ローソン フレッシュ ピック(ロピック)」で販売を開始しました。タスカジさんのノウハウを活かした商品、サービス作りを今後も展開していきます。




【プロフィール】和田幸子(わだ・さちこ)

横浜国立大学経営学部卒業後、富士通に入社しシステムエンジニア、新規事業開発などを担当。フルタイムワーキングマザーとしての課題認識に基づき、2013年に起業。家事代行マッチングサービス「タスカジ」を運営。慶應義塾大学大学院経営管理研究科修了。現在は、地方自治体や企業などとの新しい取り組みや、教育機関をはじめとした講演活動など、活動の幅を広げ、「核家族から拡大家族へ」を合言葉に日々奮闘中。日経ウーマン・オブ・ザ・イヤー2018「働き方改革サポート賞」受賞。

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