2022.08.22

【インタビュー】ユニマットリタイアメント・コミュニティ 齋藤政人統括部長「味、価格にこだわり、高リピート率維持」


介護事業のユニマット リタイアメント・コミュニティは2019年から、食事宅配サービス「食のそよ風」を提供している。子どもから大人まで楽しめる「プチデリカ」、素材を国産にこだわった「国産プレミアム」、シニア向けの「そよ風のやさしい食感」の3コースを展開。サービス開始から4年目、運営する施設を中心に利用者を広げている。高いリピート率を維持する取り組みなどついて、フードサービス推進部の齋藤政人統括部長に聞いた。


――サービス開始から4年目。2022年3月期の売上高は?

売り上げは4億円、さらに上がるとみている。来期は150%増を目指している。

――原価の高騰が問題となっているが、対応は?

値上げはしていない。粗利も下がっているし、大変ではあるが、値段設定も魅力の一つとなっている。ユーザーに利用し続けてもらうために、ギリギリまで頑張る。

――なぜ食事宅配サービスを始めたのか?

当社の主な事業は介護で、全国に施設を運営している。デイサービスやショートステイなどは自宅が拠点となる。自宅の食生活を支える事業として「食のそよ風」を始めた。

――認知拡大と新規獲得については?

全国に約360カ所で展開している施設が中心。ケアマネージャーから、サービスを紹介してもらっている。施設は年間約10カ所ずつ増えている。新設オープンの際に、近隣の他社の施設の人も見学に来る。その人たちにも紹介している。

ウェブなどの広告宣伝は最低限にしている。必要な人に必要な物を届けられるようなアプローチをしている。施設で試食会などを行っており、地域密着型となっている。

――「プチデリカ」のユーザー層は幅広いが、施設以外でのアプローチは?

2021年5月からプロのスポーツチームや選手と協業している。高齢化社会の課題であるフレイル予防などの取り組みで始めたが、選手がSNSなどで商品の情報を発信してくれるため、若い人にも認知され始めた。利用者の口コミもあり、共働き世代や、乳児を持つ主婦など、さまざまな利用者がいる。

――高いリピート率を維持している理由は?

味だと思っている。値段や利便性など、訴求ポイントはいろいろあるが、おいしくなければ続けて購入してもらえない。「プチデリカ」に関しては、1食当たり約427円と安価で提供していることも理由だと思う。

また、コールセンターでは、複雑な配送パターンにも対応し、ユーザーごとに柔軟に対応しているところもポイントとなっている。

――商品開発のこだわりや課題は?

飽きさせないメニュー作りに力を入れている。外食を続けると飽きてしまう。毎日食べても飽きない家庭の味を目指している。

「食のそよ風」を利用した後、他社の商品を利用してもかまわない。また利用したいと思い、戻ってきてもらえるものが本物だと思っている。




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