2020.04.23

通信・EC業界でチャットボットの利用急増 りらいあデジタルがコロナによる利用動向を分析

りらいあデジタルは4月17日、カスタマーサポートに特化したチャットボット・プラットフォーム「バーチャルエージェント」の利用データをもとに分析した、サービスの利用動向を公開した。外出自粛が本格化した3月度において、ECや通信関連企業を中心にチャットボットの利用が増加している。

「バーチャルエージェント」は、ウェブサイトやLINEからの問い合わせにチャット形式で自動回答するサービスを提供。国内の大手EC・金融機関・通信企業を中心に利用されている。新型コロナウイルス感染拡大に伴う外出自粛や在宅勤務が本格的となった3月度においては、「バーチャルエージェント」全体の利用数が前月比38%増。1/4の企業では、50%以上の増加を示した。りらいあデジタルは利用増加の要因にとして、ウイルス関連商品への問い合わせの増加、在宅消費に関連する問い合わせの増加、コンタクトセンターの縮小や一時閉鎖による利用を挙げている。

ウイルス関連商品への問い合わせとしては、マスクやトイレットペーパーなどの日用品の在庫や配送に関する問い合わせに加え、新規のEC会員も増加。会員登録やログイン関連のQA利用も増えているという。また在宅消費に関する問い合わせとしては、在宅で過ごす時間が増え、Wi-Fiなど通信サービスの見直しや機器の変更に関する問い合わせが増加。テレビや動画に関する問い合わせが通信会社やメーカーなどで増えているとしている。コンタクトセンターの縮小や一時閉鎖による利用については、感染対策のために有人による対応を縮小・閉鎖しているセンターが生じており、平時は有人とチャットボットを併用していた企業が、チャットボットによる無人対応のみに切り替えるケースが出てきたためとしている。

こうした傾向は特にECや通信関連企業で顕著に現れているが、これらの業種では比較的早期にコンタクトセンターの縮小や一時閉鎖が行われており、結果としてチャットボットの利用増加につながったと考えられるという。新型コロナウイルス感染拡大の影響度合いは企業や業種により異なるものの、問い合わせ内容の変化は全ての顧客接点で生じているとのこと。りらいあデジタルでは、チャットボットの利用データを逐次分析し、問い合わせ傾向に応じたQAコンテンツの追加・修正を行うことを推奨している。

コンタクトセンター運営企業では、新型コロナウイルス感染防止対策の長期化やオペレーターの安全確保に向けて様々な対策が始まっている。こうした状況を受け、りらいあデジタルでは、これまで浸透しなかった「在宅オペレーター」の実現に向けては、電話よりも在宅への移行が容易な「チャット窓口」の開設、およびチャットボットによる自動化を推進する企業が増えると予測。チャットボット運用中の企業向けに、ユーザビリティや回答精度、運用プロセスなどを評価する「無料診断プログラム(提供条件あり)」を提供する。高品質なチャットボットの提供を通じて、持続可能性の高いコンタクトセンターの運用支援を行う考えだ。

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