2020.10.13

ナップス、オートバイ用品の老舗がDX具現化する店舗オープン 最高の購買体験目指す

自動二輪車関連商材の小売・開発・販売を手がけるナップスはこのほど、同社が掲げるDX(デジタルトランスフォーメーション)を具現化する新店舗「ナップス松山店」をオープンした。同社の店舗では初となるデジタルデバイスの導入やセンターロジスティクス機能強化により、最高の購買体験ができる新たな店舗を目指す。

ナップスは、1962年創業のオートバイ用品の老舗。郊外大型店に絞った出店戦略で店舗数を拡大し、現在では一店舗当たりの取扱いアイテム数3万5000点以上という日本最大級のバイク用品店として全国に展開。30万点以上のアイテムを取りそろえたECサイトも運営している。26店舗目としてオープンした「ナップス松山店」を「自動二輪関連商材小売の新たなデジタル店舗」と位置づけ、同社が掲げる「ナップスDX」の施策を導入。顧客への最高の購買体験と、コロナ渦でのニューライフスタイルにも合致するサービスの提供を図るとしている。

店舗での購入体験をさらに楽しく快適にするという「ナップスDX」の主なポイントは4つ。1つ目のセンターロジスティクス機能の強化では、自社や他社でのインターネット販売価格と、小売店での販売価格をウォッチし、在庫の回転率等を考慮した適正価格を算出、自社のピット工賃までを勘案して顧客のベストプライスを提案。また同時に、顧客の購買行動に最適に応じられるよう強化を図るという。さらに今後は、センターロジスティックス機能とWebでの来店予約システムを統合し、利用者が来店前に興味のある商品を入力することで、その商品が事前に店頭に届けられるダイナミック在庫システムの仕組みに発展させていくとしている。


“ナップスDX”初導入となる松山店

2つ目のポイントは、商品の魅力を動画や音でよりリアルに感じることができるというデジタルサイネージや体感機などのサンプルの導入。サイネージの内容は本社一括管理にすることで、店舗の売場作りの負担を軽減。メーカーからの最新の情報をスピーディーに顧客に届けることができる。また認知度の低いエリアに新規出店する際には、30万点にのぼる業界最大級の品揃えのアピールが可能だとし、今後は年間11万3千件のピットサービス実績で培ったピットクオリティのサイネージでのアピールを開始し予定としている。


デジタルサイネージや体感機で商品魅力を紹介

3つ目のポイントは、店内へのiPadコーナーの設置。iPadを用いることで、商品のスムーズな検索、顧客自らよる在庫の確認を実現するとともに、iPadと店舗スタッフが連携してベストな商品とワンプライスでの価格を瞬時に提案。商品購入だけでなく取付まで可能な店舗の強みを打ち出すことで、利用者にとって「最も便利な」店舗を目指す。また今後は他の顧客のインプレッションをもとにした商品の購入が可能になり、これまでにないバイク用品選びが体験できるとしている。


iPadで商品情報や在庫確認

4つ目となるピット待ち時間の解消では、従来は店舗に来店しないと不明だったというピットの待ち時間や順番を自宅から確認でき、アプリでの予約も可能になる予定だという。店舗での不要な待ち時間を解消し混雑を回避することで、新型コロナウィルス対策にもなるとしている。

オートバイ用品小売業界の環境は、既存店舗を中心とした同業他社との従来型の競争に加え、ホームセンターやアウトレットモールにおいても施設滞在時間を活用したメンテナンスや部品販売を展開している。さらにECの台頭により、インターネットを通じて最安値のパーツを購入し、最寄りのバイク店で取り付けだけを行うという購買行動も増加しているという。このような競争環境と顧客の購買行動の変化をナップスでは、自社にとって大きな脅威になる反面、オートバイ用品小売を新たなデジタル店舗へトランスフォームさせる絶好の機会と捉えているとし、同社代表の「実店舗を活かした対EC戦略の巧拙がナップスの今後を大きく左右する」という視点から、全ての顧客にナップスが取り扱う自動二輪関連商材の徹底した「安全」と「安心」を最新のデジタル店舗から届けるとしている。昨今のコロナ禍の影響で2021年のモーターサイクルショーが中止になるなど、二輪業界にとって暗いニュースが聞こえる現況下で、毎日がモーターサイクルショーのように利用者に楽しんでもらえるような店舗作りを目指していく考えを示した。

ナップスの望月真裕代表取締役は自社のDXについて、「コロナ禍におけるニューノーマルな働き方が求められていることにより、旧態依然のやり方を見直し、店舗運営の手法にも変革をもたらす必要が生じてきました。デジタルテクノロジーを活用し、お客様との新しいコミュニケーション方法を模索すること、また、創業当時より当社が大切にしてきた、対面接客による『来店する高揚感』を一層高めること。オンラインとオフラインの双方を活かすことこそが、これからの時代の店舗運営には必要不可欠であると考えます。当社では、『For all Riders.』全てのライダーの幸せを実現させるため、今後も『ナップスDX』導入店舗を拡大し、全てのバイクユーザーに満足いただける店舗作りを目指して参ります」とコメントした。

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