2024.10.08

【デジタルとリアルの融合 <第4回>】オムニチャネルマーケティング成功への道 重要ポイントと未来展望

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現在の小売ビジネスのマーケット環境においては、デジタルコマースとリアル店舗の連携がますます重要になってきている。それは、デジタルでの顧客体験を「温かみ」のあるものに再構築しつつ、リアル店舗での顧客接点につなげることが求められているからだ。これにより、ブランドの信頼性と顧客ロイヤルティーを高めることができるからである。そのための施策のポイントや成功事例について、富士ロジテックホールディングスの吉村典也氏が、エスキュービズム取締役の梅木研二氏と、シナブル執行役員の曽川雅史氏に聞いていく。第4回は、梅木氏と曽川氏に、オムニチャネルマーケティングの未来の展望について話してもらう。



商品在庫状況のリアルタイム連携も重要な要素


梅木
:オンラインで商品を探している顧客に対して、最寄りの店舗の在庫状況をリアルタイムで提供することで、店舗を訪れる動機を提供できます。

オムニチャネル施策の具体例としては、オンラインで商品を予約・購入し、リアル店舗で受け取る「BOPIS」サービスがあります。

ZARAのように、「BORIS」を行うリアル店舗で返品、交換できるプログラムと、ストアクレジット(ポイントプログラム)を駆使することで、デジタルとリアルの両方のチャネルを効果的に活用できます。

顧客体験を向上させるだけではなく、商品の回転率や、「プロパー消化率」を向上させることができます。

その先には、リコマースとして、この運用ノウハウを活用することができます。


リアル店舗での顧客接点強化は非常に重要な戦略


梅木:リアル店舗での顧客体験を向上させるためには、まずパーソナライズされた接客とコミュニケーションが不可欠です。

そうでないと、顧客の利便性と効率化が前面になってしまっている「デジタルコマース」と同じになってしまいます。

ある責任者は、デジタルコマースを「自動販売機になってしまった」と表現していました、その改善のために、デジタルコマースでも「温かみ」を提供する取り組みが増えています。

例えば、デジタルサイネージやタブレットPOS端末などを活用することにより、顧客の興味やニーズに応じた情報を提供することができます。

これにより、顧客が「自分にとって価値のある情報をリアルタイムで提供されている」と受け取ることができれば、満足度が高まることになります。

そこでは、店舗スタッフのエンゲージメントを向上させることも重要です。

デジタルツールを駆使して、スタッフが顧客の購買履歴や嗜好を把握できるようにすることにより、より効果的な接客を可能にすることです。

スタッフが自信を持って顧客に対応できる環境を整えることは、店舗全体の雰囲気も良くなり、顧客との信頼関係が深まります。

SNSのコーディネートのポストで、優劣と売り上げをつけることではありません。

さらに、デジタルPOSを活用することで、リアル店舗での購買履歴とデジタルデータを統合し、顧客ひとりひとりの行動履歴に基づいたマーケティングが可能になります。

これにより、より精度の高いターゲティングが実現し、顧客にとって必要な商品やサービスを提案することができます。

総じて、デジタル技術を駆使した一連の取り組みは、顧客体験の向上と店舗の収益向上に大きく貢献します。

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