2024.10.09

花のEC「Hitohana」、産地直送で花き業界を活性化 生産者にもユーザーにもWin-Winなビジネス展開

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森田憲久代表

Beer and Tech(ビア・アンド・テック)は2022年10月から、花のECサイト「Hitohana(ヒトハナ)」にて、産地直送で花を販売している。堅実な営業で着実に提携農家を増やし、現在、30軒以上の農家から直送している。ユーザーにも農家にもWin-Win(ウィンウィン)となる事業を展開している。

花き業界では、生産者の高齢化や花の生産量減少に伴い、単価が高騰している傾向にある。

一方でユーザー側は「価格を抑えつつ良質な花が欲しい」というニーズが高まっている。

「コロナ禍をきっかけに、花を生活に取り入れる文化が定着してきた。同時に、花のECやSNSアカウントも増え、ユーザーは低コストで可愛い花を探せるようになっている」(森田憲久代表)と話す。

こうしたニーズを受け、同社は産地から直送することで、価格を抑えて新鮮な花を届けられるようにしている。

農家は「Hitohana」と提携することで、販路を確保できる。ラッピングや花の組み方を農家に教えて、梱包して発送してもらっているという。

「生産者の方に小売りの仕事もしてもらうことになる。例えば、受注が毎月1件や2件であれば、ラッピングなどの作業を仕組化するは難しいだろう。毎月、毎シーズン、ある程度ボリュームがある数量を、農家が受注できるようなプラットフォームを、今後も作っていかなければ」(同)と意気込みを語った。


産地とコラボした商品をサブスクでも販売


同サービスでは単発での販売のほか、花のサブスクも提供している。サブスクでは産地とコラボした「ファーマーズレシピ」を、約4~5週間に1回の頻度で開催している。


▲Hitohanaのファーマーズレシピ

農家は事前に花の販売量を知った上で、生産ができる。市場で売れ残り、安く買いたたかれたりせずに済む。さらに、花の産地を紹介することでストーリー性が生まれ、定期便のユーザーを飽きさせない工夫にもなっている。

「『Hitohana』のサービス開始当初は、『デザインに凝った自社ならではの花を売っていこう』という考えがあったが、現在は培ったプラットフォームを生かし、業界全体の生産の課題解決にもハイブリッドで取り組めている」(同)と話す。


▲全国の産地と提携している

今後、人口減少に伴い、近所に店舗の花屋があることが当たり前ではなくなり、ECの需要はさらに大きくなっていくとみているという。

「外部から出荷できるネットワークを駆使して、おしゃれでリーズナブルな商品を、ボリューム感を持って販売していきたい。そこに自社の価値を見いだしていきたい。ECは寡占的になりがちだが、大きなプラットフォームを作っていけたら」(同)と、今後の展望を話した。

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