2024.09.24

「PAUL & JOE」、チャット対応で顧客満足度向上に注力 24時間対応も構想中

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国際ブランド営業部 榊原隆之氏

化粧品メーカーのアルビオンはフランス発祥のファッションブランド「PAUL & JOE(ポールアンドジョー)」の化粧品を製造・販売している。ブランドのファンに満足してもらうため、オンラインでのコミュニケーションに注力している。

コミュニケーションの手段として電話の窓口やメール、サイト内でのチャット機能を用意している。

問い合わせ窓口はクレーム対応としてではなく、ユーザーとコミュニケーションを取るための窓口として、自社で運営している。


オンラインでも店舗でも1人ひとりと真摯に向き合う


チャットに最も多くの問い合わせが届く。商品を購入する前の相談が多い。「この口紅は私に似合うでしょうか」というような具体的な問い合わせにも、スタッフが丁寧にヒアリングを行い、回答するという。

一方で診断ツールや自動返信機能も取り入れている。基本的な質問や、早く答えが必要な質問には、自動返信で対応し、それ以外の質問に手動対応するための人員を割けるようにしている。

「オンラインでもスタッフに相談しながら買い物がしたいという需要は一定数ある。チャット機能に関しては、かなり満足していただけていると感じる」(国際ブランド営業部 榊原隆之氏)と話す。


▲チャット機能搭載の「PAUL & JOE 公式オンラインストア」

同ブランドはもともと、百貨店などオフラインでの販売が主流だったため、接客を得意としている。ブランドサイトの担当者は全員、店舗スタッフ経験者だ。

「住んでいる地域や生活の時間帯を問わず、より幅広い人に商品を届けたいという思いからオンライン販売を開始した。お客さま一人ひとりにしっかり対応するというマインドは店舗での販売と変わらない。ブランドサイトの担当者もあえて全員、店舗の経験者にしている」(同)と話す。

対面販売の経験から顧客目線のサービスの提供が得意な同社は、数字の分析において、グロース支援サービスを提供しているStoreHero(ストアヒーロー)のコンサルティングを取り入れている。

「もちろん、自社でも数字の分析をするが、販売会社は自社の数字を捉えたいように捉えてしまいがちだ。また、ブランドとして面白いものを作るためには、数字ばかりに注視するわけにもいかない。そのため、客観的に分析・判断してもらえることで『お客様起点のサービスが得意』という自社の強みをより一層生かせる、いい関係性になっている」(同)と話す。


顧客満足が”ブランドサイト”としての価値に


今後はさらなる顧客満足度向上に向けて、24時間対応できるチャット機能を構想している。豊富な顧客対応の経験を持つ榊原氏は、ユーザーが昼夜問わずいつでも答えを出せるようにしたいという。

「寝る前にスマホでネットショッピングをする時間や、朝、『もっとこんな化粧品がほしい』と思う瞬間などに、すぐに相談できる窓口にしたい。顧客の満足が、一般的なECサイトではなく、ブランドサイトとしての価値や評価になるのではないか」(同)と語った。

価格競争やポイント制度で顧客を取り込むのではなく、ユーザーのニーズに対応し続けることで、ブランドのファンを増やしていきたい方針だ。

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