2024.01.13

【有識者に聞く!2024年のEC市場展望】日本ECサービス 清水将平代表「上陸見込みの『TikTokショップ』に注目」

テーマ:「ECモール」

ネットショップのための会員制サポートサービス「ECマスターズクラブ」を運営する日本ECサービスの清水将平代表は、ECモールごとの施策に期待を寄せる。さらにTikTokのEC機能にも注目だという。

「楽天市場」は2023年、SKUプロジェクトの移行が進み、楽天モバイルの契約が増え、SPUの条件変更もあった。12月の「楽天スーパーSALE」ではテレビCMが中止されるなど外部広告の露出を減らす動きもあれば、「楽天市場」の広告がMetaなど外部広告に配信されるようになるなど、収益確保への焦りも感じた。

2024年の「楽天市場」は、SKUへ完全移行し、6月から配送品質制度による検索順位への影響が開始するなど、転換率向上の施策が始まる。一方、「楽天モバイルの契約数増がアクセス増加に寄与するのか」「SHIEN、Temuなど海外ECに対抗できるのか」にも注目している。

「ヤフーショッピング」は、一昨年に優良配送の優先表示、プロモーションパッケージの導入、日曜日の10倍などキャンペーンの抑制の結果、LINEアカウント連携、LYPプレミアムが後半にスタートするものの、売上が下がったというストアの声も多かったようです。

2024年は獲得予定のPayPayポイントを注文時に利用できる機能「今すぐ利用」や、置き配指定のポイント施策により、転換率向上や物流クライシスへの対応も期待できるが、「楽天市場」同様にアクセス増への対策に注目したい。

各モールの配送スピードや商品の選びやすさの改善は、売れる店舗と売れない店舗の二極化が加速し、モール全体の流通総額が伸びることはあまり期待できないと感じる。「Amazon」のような出品型ではなく出店型のモールは、モール全体の流通総額ではなく、店舗の利益を重視し、店舗数が増え続ける根本的な仕組みの改善に注力するタイミングではないかと感じる。

今年、上陸が予想される「TikTokショップ」に注目だ。テレビやユーチューブより視聴率が急増しているTikTokからリーチ獲得も考える必要があるのではないか。

ECモールには、物流の課題にも対応してもらいたい。EC化率を高めることは、物流クライシスの問題には矛盾する。セールなどイベントの連発や配送スピードで出店者に負荷をかけるのではなく、再配達のない顧客へインセンティブを提供したり、近隣にあるショップで購入する際は店頭で受け取れたりするようなサービスの提供にも期待したい。





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