2020.02.07

もはや“暖冬”は言い訳にできない

Photo by Kyle Head on Unsplash

ブランド品の買い取り販売事業などを展開するBEENOS(ビーノス)の決算説明会で直井聖太CEOが、「暖冬によってアパレル関連商品の売れ行きに影響が出ているのは確かです。しかし、毎年のように『今年は暖冬』と言っており、言い訳にならない」と話していました。

確かに暖冬だと、コートなど重衣料の売れ行きが落ちます。アパレル販売会社にとっては、「夏暑く冬寒い」といった気候の方が、シーズン衣料の販売が見込めるでしょう。しかし、近年は「夏猛暑で冬寒からず」が定着しています。もはやこの気候が日本のスタンダードと考えた方が良いのかもしれません。暖冬で重衣料が売れないと嘆いていても仕方がないと思います。

常識が変わるときに商機は顔を出します。「四季が豊かな日本」という常識が変わりつつある今こそ、新たな市場を開拓する好機なのです。気候の変動が小さくなっているということは、1年中使えるスタンダードなアイテムが売れやすくなるかもしれません。冬のアウトドアが活発化し、それに合わせたウエアの需要が伸びるかもしれません。四季のメリハリは減ったものの、大規模災害は増えつつあるので、災害時に真価を発揮するウエアも意外な需要を開拓できるかもしれません。素人考えのアイデアを並べてみましたが、常識にとらわれず、変化を読み、手を打つことが大事ということだとおもいます。

BEENOSの直井CEOは決算説明会で、ブランディア事業がこれまで手を出さなかった、「実店舗展開」と「中国ECモール出店」という二つの新施策を発表していました。ブランディアはこれまで、買い取り販売をネットで完結させることで効率的な運営体制を築いてきました。しかし、競争激化によりハイブランドの取り扱いを強化するため、店舗での買い取りを始めるそうです。さまざまなルール変更に振り回された過去があり、参入をやめていた中国市場も、ブランド品の海外販売を強化する上では外せないと判断しました。

トップは自らのルールをも変える勇気が求められるのだと感じました。

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