2020.01.30

楽天ユニオン、公取委に排除措置請求 4000件の反対署名も提出

公取委に署名と措置請求書を提出した楽天ユニオンの勝又勇輝代表(写真右から2人目)


食い違う両者の見解


楽天は同日、「楽天市場」の事業説明会を開催し、改めて「共通の送料無料ライン」を導入する背景やメリットを説明した。楽天の野原彰人執行役員は、「法務担当などと精査し、コンプライアンス違反はないという認識だ」と強調した。

楽天は、「アウトドアグッズの店舗は19年10月から自主的に送料無料ラインを5500円以上の購入から、3980円以上の購入に変更した。商品価格は変更しなかった。すると前年の実績と比べ、注文件数が14%増加した」(CEO戦略イノベーション室・川島辰吾氏)と「共通の送料無料ライン」の導入メリットを解説した。

楽天ユニオンは、「楽天が『共通の送料無料ライン』の導入に際して参考にした南米のECモール『メルカドリブレ』は店舗の送料負担をしている。楽天の取り組みとは条件が違う」(勝又代表)と指摘。楽天は、「10年間で物流関連に2000億円を投資しており、自社サービスを通して店舗の送料の一部を負担している」(川島氏)と述べた。

直接のアクションない


楽天ユニオンに対しては、「そういう動きがあることはメディアなどを通じて知っている。しかし、直接のアクションはなく、対応できない状況だ」(野原執行役員)と説明した。

楽天ユニオンは「RON会議室(楽天出店者同士のコミュニティー)で『共通の送料無料ライン』の根拠や実効性について尋ねても明確な回答を得られなかった。話し合う気がないのだと判断した」(勝又代表)と話す。



楽天ユニオンの勝又代表


楽天ユニオンは「共通の送料無料ライン」に加え、「アフィリエイトの料率変更の撤回要求」が1001件、「決済システム『楽天ペイ』の撤回要求」が617件、「違反点数制度・罰金制度の廃止、罰金返還要求」が574件と、4テーマで延べ3958件の署名を集め、提出した。

今後も署名の募集を続けるとともに、「共通の送料無料ライン」以外の「違反点数制度の廃止」「楽天ペイ導入の撤回」「アフィリエイトの料率変更の撤回」などについても働き掛けを強めていく方針だ。

楽天と楽天ユニオンの見解は、平行線をたどる。公取委がどういう判断を下すかに注目が集まる。

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